ホルヘ・ロレンソは、2017年に自分の後任としてモビスター・ヤマハへ移籍してきたマーベリック・ビニャーレスの走りを見ると、かつての自分自身を思い出すという。
ロレンソは、2008年からMotoGPライダーとしてヤマハでキャリアを積んだ後、2017年シーズンにドゥカティへ移籍した。ヤマハはロレンソの後任として、昨年までスズキに所属していたビニャーレスと契約した。
ビニャーレスはヤマハでのデビュー戦となったシーズン開幕戦カタールGPを優勝という形で締めくくった。彼はその前のオフィシャルテストでも全日程でトップタイムを記録し、このレースではポールポジションも獲得している。
ロレンソは、今年のビニャーレスがレースに臨む姿勢を見ると、自分がMotoGPのキャリアを始めた頃を思い出すと語った。
「ビニャーレスが場面場面で下す判断を見ていると、自分自身のことを思い出すんだ」とロレンソ。
「以前の自分もそうだったように、彼は根拠の乏しい常識といったものは信じていない」
「あのころは自分も今の彼同様に、自分自身に強さや判断力といったものを感じていた。勝てるという確信を持っていたんだ」
今のところ、ビニャーレスはヤマハのチームメイト、バレンティーノ・ロッシの成績を上回っている。
ロレンソは、22歳のビニャーレスが現在38歳のロッシにとって大きな脅威になっていくだろうと語った。MotoGPのグリッドではロッシが最年長で、その次は6歳年下のアルバロ・バウティスタになる。
「バレンティーノの年齢でMotoGPを戦っていくのは容易なことではないよ」とロレンソは語った。
「彼は38歳で、次に年長のライダーは確か32歳だからね」
「38歳にもなれば、シーズンごとに厳しさが増していくんだと思う。ロッシはそれを実感しているはずだ」
「38歳でロッシほどに速いライダーは多くないと思う」
「簡単なことじゃない。しかもマーベリックのようにずば抜けて強いチームメイトがいればなおさらだ」
ロッシは、オフィシャルテストやカタールGPのフリー走行ではいずれも10位前後とふるわなかったが、金曜には突破口を開き、決勝では3位に入った。
ロレンソは、長年のチームメイトであるロッシが天候の不安定なナイトレースというコンディションをうまく活用していたのではないかと語った。雨のためスタートが遅れ、レース序盤ではコース上に水たまりも多く残っていたのだ。
「バレンティーノは、カタールでのああいうトリッキーなコンディションを最大限利用しようと考えたんだと思う。そうした戦略にはおそらく誰よりも長けているからね」とロレンソは説明した。