2017年型のヤマハYZR-M1に苦戦しているバレンティーノ・ロッシだが、シーズン中にマシンを2016年型に戻すことは考えていなかったと語っている。
昨年11月にバレンシアでテストが始まってから、ロッシは新チームメイトのマーベリック・ビニャーレスの速さに影をひそめるようになった。
ビニャーレスは、2017年に行われた3回のオフィシャルテストでトップタイムを記録し、開幕戦カタールGPではヤマハ移籍初戦で優勝を飾った。
ロッシはロサイル・インターナショナル・サーキットでのフリー走行時も含め、コーナーに進入する際のフロントエンドの感覚と速度をつかむことに苦労していた。しかし、決勝では態勢を立て直し、10番グリッドからスタートすると3位でフィニッシュし、ビニャーレスと共に表彰台に上がった。
フリー走行で行ったセットアップの変更がその結果につながったとロッシは語り、カタールGPのレース序盤をリードしていたモンスター・ヤマハ・テック3のルーキー、ヨハン・ザルコが使用するヤマハの2016年型YZR-M1に戻ることは全く選択肢の中になかったと述べた。
「セッティングを改善したんだ。特にコーナーに進入するとき僕が安定するようにね。それにチームがフロント部分に効果的な改良をしてくれたんだ」とロッシは開幕戦について次のように語った。
「僕はブレーキングを重視している。初めは16年型(のバイク)の方がいい感じがしたけど、僕が17年型を使えば、ヤマハはよりハッピーだ」
「それにビニャーレスは17年型を乗りこなせているのだから、もっと時間がかかるかもしれないけど僕もあのバイクを乗りこなせるよ」
「ファクトリーチームとしては同じバイクに乗っている方がいいよね」
「僕たちはこんな感じで続けて行かなければいけない。今回の結果は僕たちにとって気持ちの面でも技術の面でもとても良かったよ。今ではたくさんの事を理解したからね」
ロッシはバレンシアテストの初日に転倒を喫し、2017年YZR-M1に良い印象を持っていなかった。しかし1週間後に行われたセパンのプライベートテストで、チームはマシンへの理解を深めて突破口を開いたと考えている。
2017年初頭に行われた3回のテストすべてでロッシはビニャーレスにリードを許したが、ヤマハのレーシングディレクター、マッシモ・メレガリはその間のロッシの回復力とカタール戦で見せた“チャンスを拾い集める”走りを絶賛した。
「冬のテストはロッシにとって本当に難しいものだったがチームと一丸となり、2017年のバイクで正しいフィーリングを見つけようと絶対に諦めなかった」とメレガリ。
「3位は彼と彼のチームが(カタールの)レースに注いだ熱意と大きな努力の賜物だ」