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『ユーリ!!! on ICE』と聖地・唐津市コラボが1月たった結果→地域ぐるみで「勇利の地元感」出してくれてた

2017年04月05日 17:43  おたくま経済新聞

おたくま経済新聞

『ユーリ!!! on ICE』と聖地・唐津市コラボが1月たった結果→地域ぐるみで「勇利の地元感」出してくれてた

アニメ放送終了後も人気が続く『ユーリ!!! on ICE』。作品の主人公勝生勇利の生まれ故郷である唐津市(作品中では長谷津市)には放送終了後も多くの聖地巡礼の観光客が絶えません。


2017年3月6日からは佐賀県のコラボプロジェクト『サガプライズ』と連携した唐津市の『サーガ!!!onICE』が開催されていますが、オープニング初日と1か月後の2度にわけ現地を訪れてみました。


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まず、オープニング初日のレセプションを取材したところ、関東・関西だけでなく、香港・シンガポール・オーストラリアからのファンも駆けつけ、大勢が今回のイベントに期待を寄せていることがうかがえました。


そして早速唐津市の町に飛び出し聖地巡礼!と行きたいところですが、まずは唐津駅の観光案内所で簡単なアンケートに記入して「聖地巡礼マップ」をゲットしましょう。誰でも貰えるのでファンなら絶対見落としてはいけないポイントです。



このマップにはアニメで使われたシーンと共に現地への地図が掲載されていて、マップを手に現地へ行くと、実際の建物などとの比較ができるようになっています。


また、イベント期間中には、唐津市内の一部飲食店やホテルでは唐津の名産品を食材にした「長谷津グルメ」が提供されており、長谷津グルメを飲食した方にはアニメの場面を写したオリジナルポストカードが、軽食では長谷津モデルの勇利やヴィクトルたちがあしらわれたコースターを手に入れることができます。ちなみに取材した際には初日とあってか、早速ポストカードやコースターのコンプリートを目指す人を多数目撃しました。やはり初日なだけに「大盛況」。でもこれが一か月後どうなるのか……。



■1か月後また訪れてみた→地元とファンが良好な関係を築けてた


サーガ!!!onICEがはじまって1か月。聖地巡礼の地を改めて訪れてみると、ヴィクトルやユーリ・プリセツキー、そして勇利のコスプレをした女性が唐津城や浜崎海岸の無料シャワー(エンディングの撮影地)の前で普通に撮影している姿を見かけました。周囲も気にせずごく自然な光景として受け止められており、どうやら唐津の土地にユーリの世界が当たり前に受け入れられているようでした。


地元の方も聖地巡礼の観光客には好意的で、コラボ飲食店などでは「どこから来たと?」「聖地は全部回ったとね?」と積極的に声をかけて貰うことも!聖地巡礼と言うと『ガールズ&パンツァー』の聖地、茨城県・大洗とファンの関係の良さが有名ですが、この唐津の地も大洗に負けず劣らずな良好な関係が築けているのではないでしょうか。


ちなみにお店の方に「今回が第○滑走目」と言ってみたところ通じてしまいました。通じる通じないは人によるのでしょうが、作品をきちんと理解されていることに1ファンとしては心からの感謝しかありません。


他にもお店の方の話によると、コラボメニュー店では週末になると若い女性で溢れかえっているそうです。「いそがしかよー ハハハハッハ」と元気良く教えてくれました。


また街中にはポスターやコラボ企画の等身大パネルが置かれていて、京町商店街にはサウンドトラック(スケトラ/OP)が流されており、聖地巡礼者を耳でもおもてなししてくれました。


■今回取材で訪れたオススメスポット&見所


次に、ざっとオススメスポット&コラボメニューをいくつか紹介します。実際に回ってきて確認したので注意点含め今後行かれる方は参考にしてください。


1:勇利の実家のモデル「鏡山温泉茶屋 美人の湯」は絶対行くべし


コラボフード「本家!勝生家風 長谷津カツ丼」900円が提供されています。2段重ねの柔らかいトンカツにふわふわの卵が絡まったメニュー。温泉内部はアニメ同様撮影禁止となっていますが、別にパネルの置かれた撮影スポットがちゃーんと用意されています。さらに勇利のジャージが展示してあるため、ここで勇利が育ったのだという感慨に浸ることができます。



またカウンターには原作者久保ミツロウ氏のサインも展示してあり、撮影可能。勇利の成長を見守った温泉にゆっくり入り、彼の好物のカツ丼を食べられる、まさしく聖地巡礼の醍醐味を味わえる場所のひとつ。


2:聖地巡礼者に人気の浜崎海岸


エンディングで勇利とヴィクトルが浴びているシャワーがあることで人気のスポット。
JR唐津線浜崎駅から真っすぐ歩いて直ぐ到着するというのも人気の理由。また第4滑走で勇利とヴィクトルが話をしている海岸を探し撮影する巡礼者も多いです。



地元の人に聞くと、夕方の浜崎海岸はとても美しく、「ぜひ巡礼者に訪れて欲しい時間帯」とのこと。夕陽を見ながら勇利とヴィクトルが会話をしたかもしれないと想像して訪れるのもいいかもしれません。



3:浜崎海岸「モーラカフェ」


浜崎海岸の無料シャワーの近くにあるこちらでは、「長谷津ケーキセット」850円が用意されています。
ケーキの上にはキャラクターのシルエットが描かれており誰に当たるかは運ばれてくるまで分かりません。浜崎海岸を見ながらティータイムを過ごすことができる場所です。



4:唐津ロイヤルホテル


次に訪れてみたいのが、唐津ロイヤルホテル。こちらはコラボに合わせて、ロビーに勇利たち3人の衣装をマネキンに着せて展示しています。



第2滑走でヴィクトルが乗っていた黄色い自転車も展示してあり、訪れた巡礼者たちの撮影スポットとなっている他、ホテル内に多数撮影スポットを設けてあったり、キスクラ風カラオケルームなどがあります。



1階のロビーで提供されているのが「マッカチンの長谷津カプチーノ」550円。
マッカチンのモフモフとした感じのマッカチーノは休日には1日千杯を提供したこともあり、達成した日には記念のくす玉も割られました。



5:話に浸れる空間「Tea&Space基幸庵」


唐津ロイヤルホテルから唐津城へと向かう橋のたもとにあるのが、「Tea&Space基幸庵」和風の落ち着いた店で味わえるのが抹茶と、アイスがセットになった「長谷津焼onアイス お抹茶添え」です。



温かい抹茶とほどよい苦みの黒蜜をかけたアイスが美味しいこの店は、唐津城から近いこともあり、コラボ期間中は若い女性が多いですが、夕方に行くとゆっくり過ごすことができます。店内には水引きでできたアクセサリーなどの販売もあり、和に浸れる空間です。


6:舞鶴橋


第1滑走、第2滑走で勇利やヴィクトル、ユーリが走っていた舞鶴橋からは唐津城が見えます。第2滑走でユーリがヴィクトルを探していた場所ではそのポーズをして撮影するファンも見かけました。そして反対側が第1滑走で勇利が走っていた場所。夕方の太陽が落ちる前の景色はあまりに美しいのでぜひ時間をあわせて訪れて欲しいスポットです。



橋を渡ると、唐津城に到着。ふもとの有料エレベーター(一人100円)を使って登ることもできますが、時間と体力のある人は階段使用がオススメ。第2滑走でヴィクトルが立っていた石段で立ち止まり振り返って写真をおさめる人も多いですが、さらにオススメなのが勇利がヴィクトルを見て走る位置から撮影する景色。4月前半だと、ヴィクトルの立っていた場所の少し後方に桜が見え、唐津城でも第2滑走と同じ光景が楽しめます。



アニメの中ではやや葉桜気味でしたが、訪れた4月3日は蕾、4月4日で3分咲きへと変わっていました。また、ヴィクトルがインスタグラムにアップしていた写真の位置には藤棚があり、GWの頃が見ごろになるそうです。


7:大手口町バスターミナル5階の「唐津市観光課」も訪れるべし


ユーリの場面写真などを見たい場合、唐津城から直ぐにある、大手口町バスターミナル5階の「唐津市観光課」もオススメ。
こちらはコラボ期間毎日開庁していて、聖地巡礼の旅行者を迎えてくれます。


中には「長谷津町役場観光掲示板」というものがあり、場面写真が展示されています。また久保ミツロウ氏のサイン入りポスターや今回のイベントポスターの撮影もできるようになっている他、第1滑走でヴィクトルが着用していたジャージも置かれていて、着用してその場で撮影可能。



8:コスプレイヤーはここに行くべし「唐津市ふるさと会館アルピノ」


唐津駅近くにある「唐津市ふるさと会館アルピノ」では東京でのイベントで設置されていたキスアンドクライが設置されており、撮影が可能になっている他、コラボグッズの販売も行われています。アルピノ1階にはコスプレをして聖地巡礼をする観光客向けに専用メイクルームを設けている。写真撮影は原則お店などの許可が必要ですが、心遣いが嬉しいですね。


本物の「勇利の地元」のような空気感で迎えてくれる温かい唐津の人々。さらに地元産の食べ物と景色が味わえ作品世界を満喫できること間違いなしです。また、唐津市の4月の広報誌でも大きくサーガ!!!onICEが取り上げられ、さらに気軽に聖地巡礼ができるよう、ホテルとタクシーのセットなどが準備されています。アニメのシーンと重なるこの桜の季節にぜひとも、お出かけの候補としてファンはご検討を。


■取材協力
唐津市観光課
唐津振興財団


(天汐香弓)