接客や営業などの職種は、仕事上、顧客と距離が近くなりやすい。そうした人たちは、プライベートのSNSアカウントと仕事の人間関係をどう分けているのだろうか。
ワークスモバイルジャパンは4月5日、接客・営業職におけるプライベートSNSアカウントの業務利用実態調査の結果を発表した。
アカウントを教えた後、7割が「業務とは関係が無い連絡が来た」
調査は3月に、業務上週3回以上、接客または営業で顧客と接している18~49歳の男女824人を対象に実施され、インターネットで回答を得た。顧客からプライベートのSNSアカウントを聞かれたことのある人は35.6%で、そのうち教えた経験がある人は76.5%と、8割近くに上った。
接客・営業職の人たちは円滑な仕事のためにプライベートアカウントさえ生贄にするのか、と思いきや、教えた理由は「業務上、断れなかった・断りづらかった」が42.2%で最多だった。どうやら多くの人は、アカウントを教えることに乗り気ではなく、渋々教えているようだ。
さらに、アカウントを教えた後、71.9%が「業務とは関係が無い連絡が来た」と回答している。SNS上では仕事とプライベートとの境界線が曖昧になっていると言えるだろう。
プライベートSNSについて「対策やルールがあり、厳守されている」は25%のみ
一方、こうした実情がありながらも、個人のSNSアカウントと業務との関連について対策を練っている企業は少ない。
所属企業でプライベートのSNSアカウントを顧客に伝えないようにしているかどうか、対策を聞いたところ、「業務で使用することを推奨していないが、対策やルールがない」と答えたのが52.5%。「対策やルールがあり、厳守されている」は25.2%しかなかった。大半の企業は個人の判断に委ねているようだ。
「対策やルールはあるが、遵守されていない」企業も11.8%ある。SNSの使い方ひとつで炎上リスクも高まる現代、形式だけのルールでは、顧客と従業員とのトラブルを未然に防ぐのは難しい。困っている従業員がいるのなら、会社としての方針を明らかにするなどの対策もいずれ必要になってくるだろう。