ハースF1チームはF1参戦2年目のシーズンを前に優秀なスタッフを増員して体制を強化し、デビューイヤーに露呈した弱点への対策を講じたと、ロマン・グロージャンが語った。
米国を拠点とするハースは、昨年F1へのデビューシーズンを強力なスタートで飾った。グロージャンはバーレーンGPでは5位でフィニッシュするなど、最初の4戦のうち3戦でポイントを獲得した。
しかしそれ以降、グロージャンがトップ10圏内でフィニッシュできたのはわずか2回にとどまった。新興チームとしての弱点、つまりデータ分析やレースウイークエンド中にセットアップの問題を解決する能力といった部分が弱いことが明らかになったのだ。
チーム内でそうした弱点に対処するために何か変更されたことはあるかと聞かれてグロージャンは次のように答えた。「それに取り組んできた。問題をすべて克服できることを願っている」
「チームの人材を増やした。エンジニアが増えたので、より多くの知識を得ることができる」
「物事がうまくいっているときには、マシンのセットアップは簡単にいくだろう。うまくいかなくても、今の僕らのチームでは、問題を解決するためのリソースが増えた」
「冬の間に本当に優秀なエンジニアがチームに加わったから、彼らにはかなり期待しているんだ」
ハースは昨年の早い段階で2017年仕様マシンの開発に焦点を切り替えたため、結果として順位は下降していった。
一部ではハースが「2年目のジンクス」に苦しむだろうと予想されていることをグロージャンは知っているが、彼は2年目は悪くなるのではなく、好転すると常に信じてきたと主張した。
「そういう面で、ジーン(・ハース、チームオーナー)の存在は大きい。彼はレースというものを理解し愛している。最初の年はうまくいっても2年目は挑戦になるということを分かっているんだ」とグロージャンは語った。
「勝利を飾るには時間がかかるから、常に一歩前を見ている必要がある。(チームボスの)ギュンター・シュタイナーとともに僕たちはそのことをよく理解している」
「風洞の中のマシンと新たに雇うスタッフを見るたびに、僕は2年目は1年目よりうまくいくと思えた」
「全体のプロセスは実際にとても洗練されたやり方で進められた。だから1年目が素晴らしくて2年目はダメだということはあり得ない」
■マシンの一貫性がグロージャンの実力を支える
2017年シーズン開幕戦のオーストラリアGP予選でグロージャンは、ハースにとって予選最高順位の6位を獲得。しかしその後の決勝では水漏れのトラブルでリタイアすることになった。
グロージャンは、問題を抱えることなく毎回強力な結果を出すことが、2018年のドライバー市場で自分をアピールすることになると認めたが、彼自身の力で実績を作ることもできると信じているという。
マシンの一貫性が今シーズンの順位を上げる助けになるかと聞かれたグロージャンは次のように答えた。「もちろんそうだ。でも助けになることは他にもたくさんある。チームを率いるやり方や、レースの運び方、マシンがベストの状態でないときもなんとかやりとげてパフォーマンスを発揮することや、振る舞い方といったことだ」
「僕はチームと自分のためにいつものようにベストを尽くすつもりだ。今後、マシンを向上させていく計画もある」