初めて会社という組織に入った時、なにもかもが新鮮だった覚えはないだろうか。決済の仕組みや会社のローカルルールなど、学生時代には触れなかったものにもたくさん出会う。
FAXもその1つだ。4月4日のはてな匿名ダイアリーにも「入社して驚いたこと」という題名で、新社会人の驚きが記されていた。
「FAXをまだ使っているんですよ。 いまだに。びっくりして 『FAXつかってんすか?』って呆れたら、 『ほんじゃ郵便で送料払って送るか?』とイラッとして聞かれた。 メールで送る、受けるという発想が無いんだろうな」
「取引先にネット環境がない場合も」「未だに紙ベースなのがアホ」と賛否両論
総務省が2015年に行った通信利用動向調査では、家庭のFAX普及率は42%と半分を下回っている。2世帯に1世帯なら普及しているという見方もできるが、固定電話にFAX機能が付随しているために普及率が高くなっているだけで、実際には利用されていない可能性も考えられる。
ましてや新社会人はデジタルネイティブ世代。実物を見たことがあるのは教科書の中でだけ、という人がいてもおかしくないだろう。
コメントには、必要・不必要派それぞれの意見が噴出した。必要派は
「個人的にFAXはなくしてほしいと思うけど、取引先がネット環境ない会社もあるからね」
「特許事務所とかはセキュリティ上の理由で今でもFAXが多い。インターネットでやるとしても、少なくとも単なるメールでは無理だな」
と、自分ではいらないと思っていても、相手の事情が許さないケースを指摘。ジレンマである。これに対し不要派は
「未だにリアル紙&判子ベースでしか仕事ができてないことこそがアホだと気づくべき。こんなことだから生産性最悪なんだよ」
「なぜ、日本だけFAXが生き残ったかは、経営者に年寄りが多いことが理由だと言われてる。2013年のニューヨーク・タイムズ記事でバカにされてるよん」
と反論している。
日本だけかと思いきや、海外でもまだ使われている様子
この手の話になると「日本は遅れている」「海外はもう使っていない」という指摘が起こりがちだが、実はそうとも言えないかもしれない。コメントで紹介されていたニューヨークタイムズの記事について、アメリカのソーシャルニュースサイト「レディット」では、FAXはポピュラーだという意見が集まっていた。
「オーストラリアにある200人規模の会社で働いているけれど、FAXは他の会社との連絡手段として現役。よく使う」
「アメリカの大学で働いている父は、FAXはかなり頻繁に使ってるって言うと思う。色んな場面でまだまだ一般的だよ。別に日本に限ったことじゃない」
他にも銀行や保険会社などで使われているとコメントがあった。
しかし日本では、「Excel(ページ数二桁)を印刷して手書きで記入し、複合機でスキャンしてPDFに変換しメールで送り返すという謎フローなら会社でしたことがある」と、非効率なケースがあるらしい。業務改善のために、FAX以外で代用出来ないか考える必要はありそうだ。