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ブリヂストン 2017年86/BRZ第1戦もてぎ レースレポート

2017年04月05日 11:11  AUTOSPORT web

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2017年TGR 86/BRZ Race第1戦もてぎ・クラブマンシリーズ スタートシーン
2017 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race【Professional Series】第1戦
佐々木雅弘が圧倒的な勝利で連覇へスタートダッシュ

開催場所:ツインリンクもてぎ
開催日:4月1日~4月2日

 プロフェッショナルシリーズのレギュレーション変更で、最も大きなポイントはタイヤに関するものだった。タイヤは新品の状態で車検&タイヤマーキングを行う。

 これまではさまざまなコンディションのタイヤの使用が許されていたが、全車が新品で予選に望むことになる。

 つまり新品でのタイヤの性能・特性が重視されることになり、レースはよりシンプルになる。エントラントにとってメリットとなるのはもちろん、モータースポーツファンにとってもタイヤ性能の差が判りやすくなったといえるだろう。

 プロフェッショナルシリーズは、後期型のみがエントリー可能となり、前期型では参戦することができない。そしてタイヤが新品となったことで、よりイコールコンディションが強化されたと言ってもいいかもしれない。

●予選
 金曜日の練習走行からピカイチの速さを見せていたディフェンディングチャンピオンの#1佐々木雅弘選手(ブリヂストン)は、予選でもそのままのパフォーマンスを見せ、2分17秒061というコースレコードでポールポジションを獲得した。

 2位には2016年シーズン終盤からブリヂストンを履きはじめた#97近藤翼選手(ブリヂストン)が入り、3位はシリーズランキング2位で後半戦に大活躍を見せた#88井口卓人選手(ブリヂストン)となった。

 さらにブリヂストン装着勢は予選9位までを独占し、改めてPOTENZA RE-06Dの性能を証明することになった。

 佐々木雅弘選手は、2位の近藤翼選手に対して1秒085というタイム差を付けた。ワンメイクレースにおいて、その差は極めて大きい。それだけに決勝レースでの速さに注目が集まった。

●決勝レース
 2位の近藤翼選手が佐々木雅弘選手に最も接近したのは、スタートした瞬間だった。それ以降、差は拡がっていき、佐々木雅弘選手は、5周目にはセーフティと思える3秒641のギャップを築くことに成功した。

 レースは佐々木雅弘選手のポール・トゥ・ウィンで、ファステストラップも獲得している。

 2位以下のレース展開も、スタートを含めて、例年のような不安定さはなく比較的落ち着いたものだった。

 これはこれからのシーズンを現しているのか? それとも嵐の前の静けさなのか? 結果としてレース結果は予選順位を少しずつ入れ換えたものとなった。

 2位には安定した走りの近藤翼選手が入り、3位にはオープニングラップで井口卓人選手を攻略した#31青木孝行選手(ブリヂストン)、4位はベテラン#770山田英二選手(ブリヂストン)、5位が井口卓人選手、6位に#87久保凜太郎選手(ブリヂストン)と、トップ6までをブリヂストン装着勢が占めた。

●コメント
優勝した#1佐々木雅弘選手(ブリヂストン)のコメント
「年に1回くらいは、こういうレースやりたいですよね。ブッチギリで、金曜日の練習走行からトップタイムで、ポール・トゥ・ウィン、ファステストと完璧なレースができました」

「スタートも無理する必要もないし、普段通りにすれば失敗はしないだろうということで、普通にやりました。安全マージンが欲しかったので、とりあえずプッシュして、タイム差ができたところでペースをコントロールしました」

「気持ちもマシンもコントロールできた、完璧なレースだったと思います。タイヤもつねにコントロールできたし、結果としてブリヂストンが上位を独占することができたので、RE-06Dのパフォーマンスを示すことができたと思います」

2017 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race【Clubman Series】第1戦
渾身のタイムアタックで橋本洋平がポールポジションを獲得

開催場所:ツインリンクもてぎ
開催日:4月1日~4月2日

 5年目のシーズン開幕戦は、後期型の参入という新しいテーマもあって、どのような様相になるのか? 不安と期待が混じり合った空気のなかでスタートした。

 プロフェッショナルシリーズは後期型マシンでの参加が義務付けられ、クラブマンシリーズでは前期型と後期型の混走となる。

 後期型ではボディ剛性の向上などの他に、エンジンが7psパワーアップし、さらにファイナルギヤレシオが4.100から4.300へと約5%低くなっている。これによって後期型のほうがパワフルであることは間違いない。

 しかし、それで簡単に勝負が決まるほど、レースは単純ではない。熟成が進んだ前期型の速さも侮れず、実際のテストでも大きな差はなかったという。その結果、前期型と後期型の性能調整は行われない。

 ブリヂストン装着勢では、昨年シリーズランキング2位を獲得した#75手塚祐弥選手(ブリヂストン)、昨年の十勝で優勝したジムカーナのレジェンド#771菱井將文(ブリヂストン)、そしてPOTENZAのカラーリングをまとった#84橋本洋平(ブリヂストン)らが、レースをリードしていくドライバーとして注目されていた。

●予選
 金曜日の夕方から雨が降り、土曜日の予選の時間帯になっても、路面はまだ乾き切っていない状況だった。予選1組、そうしたコンディションであっても、見事なコースレコードを叩き出し、橋本洋平選手がトップタイムを獲得。

 2番手の#38神谷裕幸選手(YH)に対して0.989という大きな差だった。菱井將文選手が3番手、手塚祐弥選手が4番手となった。

 予選2組では、常にクラブマンシリーズでトップ争いをしてきた#600小野田貴俊選手(YH)がトップタイムをマーク。2番手には#703花里祐弥選手(YH)が入り、ブリヂストン装着勢では4番手に#126庄司雄磨選手(ブリヂストン)が入った。

 全体としては小野田貴俊選手よりも、橋本洋平選手が1秒以上速いタイムとなり、結果として橋本洋平選手がポールポジション、予選1組が奇数グリッド、予選2組が偶数グリッドからスタートすることになった。

 注目された前期型と後期型の対決は、全体としては59台中後期が19台と、約3分の1のエントリーとなったが、予選トップ10では前期が4台、後期が6台。つまり、少なくとも予選では、やはり後期型のほうが有利にみえた。

●決勝レース
 45台のフルグリッドからスタートした決勝Aレースは、全車がスムーズなスタートとなり、ほぼグリッド通りの順位でレースが始まった。

 ポールポジションからスタートした橋本洋平選手に、2位の小野田貴俊選手がピタリと背後に付き、プレッシャーをかける。オープニングラップこそ0秒832のギャップがあったものの、それ以降は0秒3以下というテール・トゥ・ノーズの状態でレースが進んでいく。

 わずかな隙でもチャンスにしようと意気込む小野田貴俊選手を、巧みなブロックで押さえ込む橋本洋平選手。ジリジリとした緊張感が伝わってくるようだ。

 3位の神谷裕幸選手が小野田貴俊選手に追い付いた8周目、橋本洋平選手は130Rで痛恨のシフトミス! 小野田貴俊選手だけでなく、神谷裕幸選手にもオーバーテイクを許し、3位へと後退してしまう。

 橋本洋平選手は、順位を取り戻そうとチャレンジするものの、レースはそのままの順位でチェッカーフラッグを受けた。ブリヂストン装着勢としては、菱井將文選手が4位と、上位入賞を果たした。

●コメント
3位表彰台を獲得した#84橋本洋平選手(ブリヂストン)のコメント
「前期型と後期型が混じって走っていることで、それぞれ速いコーナーが違うんです」

「しかも前期型が速いところと、このコースのパッシングポイントが重なっているんです。それでちょっと辛かったですね。だからギリギリで堪えていたんですけど、5コーナーからの立ち上がりでシフトミスをしてしまいました」

「最後までミスなく走らないと、やっぱり優勝できないということですね。まだまだ自分が足りてないんだな、と思いました」

「タイヤは予選で速さを見せることができました。決勝レースの天候が不安定だったので、コンディションが読み難くて、タイヤ戦略的には難しかったですね」