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米国進出、新会社、EC拡大...2000億円企業アダストリアが次のステージへ

2017年04月04日 19:34  Fashionsnap.com

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左から福田泰己経営企画本部長、木村治常務取締役、松下正代表取締役 最高執行責任者(COO)、福田三千男代表取締役 会長兼最高経営責任者(CEO) Image by: FASHIONSNAP
アダストリアが4月4日、2017年2月期決算を発表した。売上高は2,036億円(前期比1.8%増)と増収。売上総利益率の低下や販管費率の上昇により、営業利益は149億円(同6.8%減)、経常利益は151億円(同6.5%減)と経常利益段階までは減益となったが、有価証券売却益の計上により、純利益は115億円(同26.9%増)の過去最高益を更新した。

アダストリアが過去最高益を更新の画像を拡大

 アダストリアは2,000億円企業から次のステージに向け、現在の国内事業を中心としたビジネスモデルから、海外事業や新規事業の本格的な立ち上げ、WEB事業の拡大、そして国内ブランド事業の成長に向けて取り組む。海外事業では、米アパレルVelvet, LLCのグループ会社化など、米国市場への本格進出を図る。新規事業では、今年3月に1号店を出店した新ライフスタイルブランド「ラコレ(LAKOLE)」や、今年3月に設立した新会社エレメントルールがある。「ラコレ」は現在2店舗を構えているが、2018年2月期には10店舗前後の出店を予定。立ち上がりは好調で、予算に対し120%で遂行しているという。また、エレメントルールでは2019年2月期に2ブランドの立ち上げを予定しており、都市型大人市場に進出する。
 WEB事業の売上高は291億円(前年比34.4%増)。約560万人の会員を抱える自社ECサイト「 ドットエスティー[.st]」のさらなる拡大に向け、3月には新アプリのリリースをしたほか、12月にアリシア社のブランドの取り扱いを開始。マルチ言語に対応可能なシステムの構築にも着手している。現在のEC化率は15%だが、最終的には「30%まで近づけられたら」(福田三千男 代表取締役会長兼最高経営責任者)としている。
 2018年2月期の連結業績は、売上高2,330億円(前期比14.4%増)、営業利益150億円(同0.6%増)、純利益は119億円(同2.8%増)を予想。2018年2月期~2020年2月期の3カ年計画としては、既存ブランドの強化や、顧客ニーズの変化に対応した新規事業の開発やオムニチャネルへの対応等により、連結売上高2,600億円を目指す。