映画『孤狼の血』の監督とキャストが発表された。
柚月裕子の同名警察小説をもとにした同作は、暴力団対策法成立直前である1988年の広島を舞台にした作品。暴力団との癒着を噂される刑事・大上章吾と共に金融会社社員失踪事件の捜査を担当する新人刑事・日岡秀一の姿や、失踪事件を発端に暴力団同士の抗争が激化していく様が描かれる。
今回の発表は本日4月3日に東京・六本木のグランドハイアット東京で開催された製作発表内で行なわれたもの。監督は『日本で一番悪い奴ら』『凶悪』などの白石和彌が務める。キャストには主人公・大上役の役所広司、日岡役の松坂桃李をはじめ、真木よう子、滝藤賢一、田口トモロヲ、石橋蓮司、江口洋介らが名を連ねている。公開は2018年春を予定。
主演の役所は同作への意気込みについて「このテイストの映画を撮らせるなら、今の日本では白石監督だけ。舞台となる広島の世界観も、しっかり伝えていきたい」とコメント。白石作品へは2度目の出演となる松坂は「役所さんに必死に食らいついていきます」と語った。
また物語の鍵を握る女性を演じる真木は役所との共演について「実は以前のドラマでは、実際の絡みはほとんどなかった」と明かし、共演する喜びを語ったほか、役所と対立する暴力団組織の組長役を演じる石橋は「警察の方の心を忖度して、争いのない社会、市民の安全を守りたいと思います」とコメント。
石橋と対立するヤクザの若頭役を演じる江口は「刺激的な作品にするべく、役作りのために、街を歩く“その世界の人”を観察している」と明かした。また白石監督は「男たちの情念がぶつかる熱い物語。これは、現代の日本ではなかなか見ることのできない衝撃です」と原作に賛辞を贈り、「かつて東映が率い、栄えた『男の物語』を今映画として蘇らせることを嬉しく思うと同時に、身が引き締まる思い」と意気込みを露にした。