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『ブレイキング・バッド』の“有名店”がLAで期間限定オープン シャレの効いた宣伝にファン狂喜

2017年04月03日 17:13  リアルサウンド

リアルサウンド

LAに期間限定オープンした『ブレイキング・バッド』の「Los Pollos Hermanos(ロス・ポジョス・エルマノス)」

 3月29日、30日にロサンゼルスのダウンタウン近く、アーツ・ディストリクトにニューメキシコ州アルバカーキからやってきたフライドチキンチェーン店が期間限定出店した。見る人によっては「!!!」となるこの店は、そう、ドラマ『ブレイキング・バッド』で一躍有名になった「Los Pollos Hermanos(ロス・ポジョス・エルマノス)」だ。店長のガス・フリングは表の善良な顔と裏の顔のギャップから、『ブレイキング・バッド』登場人物の中でも上位にランクされる人気キャラクター。4月10日からアメリカで放送開始となる『ベター・コール・ソウル』のシーズン3にガスが出演することが発表され、『ブレイキング・バッド』ファンは狂喜。今年1月には地元アルバカーキのテレビで「LPH」のテレビCMが放送されている。


参考:『ブレイキング・バッド』から『ベター・コール・ソウル』へ 米ドラマ最高傑作の“進化”を追う


 『ベター・コール・ソウル』は3月にテキサス州で行われたSXSWでもポップアップを行い、LAとNYでも各2日間サービスが行われた。LA初日の開店時には大勢の熱狂的ファンが列をなした。店の前にはソウルの愛車、ボロボロのSUZUKI ESTEEMが飾られ、店のマスコットのチキンが踊る。見事に“インスタ映え”するシチュエーション作りは、いまや宣伝の常識だ。LPHのポップアップについて最初に情報を出したウェブサイトEater LAはロサンゼルスの食に関するニュースを集めるサイトで、VarietyやEntertainment Weeklyといったいわゆる映画業界・映像ファン向けではないところを初出媒体としたのもうまい戦略だ。


 また、会場となったのはLA Gun Clubというダウンタウン唯一の射撃場の駐車場で、アーツ・ディストリクトの隣のブロックには、LAで最も多くのジャンキーが集まると言われる危険地域スキッド・ロウがある。まさに、『ブレイキング・バッド』の世界観とつながるようなシチュエーション選びも見事だった。


 LAでのポップアップには『ブレイキング・バッド』と『ソウル』のプロデューサーのヴィンス・ギリガン、マルコ&レオネルのサラマンカ兄弟役のルイス&ダニエル・モンカダ兄弟、ガスの用心棒ビクター役のジェレミア・ビツイ、シーズン1に出演しているドラッグディーラーのクレイジーエイト役のマックス・アルシニエガが訪れた。


 『ブレイキング・バッド』はアメリカでの放送開始から9年、終了してから既に4年が経っている。スピンオフである『ソウル』が放送中だとはいえ、ここまでファンの熱量を保ち続けるドラマもなかなかない。先日は、アルバカーキで撮影中の『ソウル』のロケにウォルター役のブライアン・クランストンが陣中見舞いに訪れたとのニュースが流れ、シーズン3を心待ちにするファンに更なる燃料が投下された。クランストンは「『ソウル』のシーズン3には出ない」と否定したものの、プロデューサーのギリガンが『ソウル』に呼び込む次の『ブレイキング・バッド』キャストは誰なのか、ファンはまだまだ煽られ続けることだろう。(小川詩子/米国在住)