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三宅一生とクリエーターが構想「世界唯一のデザイン施設」実現から10周年

2017年04月03日 15:24  Fashionsnap.com

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スピーチした三宅一生 Image by: FASHIONSNAP
21_21 DESIGN SIGHTが開館10周年を迎えた。これを記念して新たに「ギャラリー3」が開設されたほか、佐藤卓が館長に就任。3月30日夜に開かれたレセプションには創立者の三宅一生をはじめ開館に携わったメンバーがそろい、10周年の節目を祝福した。

21_21 DESIGN SIGHTが開館10周年の画像を拡大

 21_21 DESIGN SIGHTは、三宅一生が1980年代にイサム・ノグチや田中一光、倉俣史朗、安藤忠雄らとともに日本におけるデザインミュージアムの重要性について語り合ったことが契機となり、2007年3月に開館が実現。以来、三宅に加えて佐藤卓と深澤直人のディレクター3人がデザインに着目したユニークな展覧会を企画し、近年は入館の列ができるほどの注目を集めるようになった。
 レセプションで三宅一生は感慨にひたりながらこれまで同館に携わった人々への感謝を述べ、「仕事は時間や広さとか、色々なことがありますが、一番重要なのはやる気が伝わるか」と"気持ちの強さ"の大切さを語った。同館の建築を手がけた安藤は「本当は2~3年で閉館かなと思っておりました」と冗談交じりに振り返り、「フランスやイタリア、イギリス、アメリカから来られる人達から『見てよかった』と言っていただける。こういう場所は世界に無く、デザインの施設としては唯一なのではないか」とコメント。新館長の佐藤は10周年を振り返り、「色々な人の思いがここに繋がってきたのを改めて確認させていただいた。我々が過去からある熱い思いを将来に繋いでいくという使命を担っているんだとつくづく感じさせられました。これからは、これまでの10年間に甘んじることなく、デザインができるのは何なのかということを前向きに切り開いていければ」と意欲を示した。あいさつ後には三宅の「気持ちで伝えるためには野生の心が必要なんじゃないか」という考えを体現するアーティストとして森山開次がパフォーマンスを披露。次回の企画展としてクリストとジャンヌ=クロードらの作品を展示する「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」の開催が6月23日から予定されている。