WEC世界耐久選手権シーズンイン恒例の公式テスト“プロローグ”が4月2日、前日に続きイタリア・モンツァ・サーキットで行われ、TOYOTA GAZOO Racingは8号車トヨタ050ハイブリッドが総合首位、7号車が同2番手となり、開幕前最後のテストをベストリザルトで締めくくった。
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は午前と午後、さらにナイトセッションという3回のセッションが設けられたテスト初日、7号車が総合トップタイムをマーク。幸先のよいスタートを切っている。
プロローグ2日目は上空に雲がかかり、やや肌寒い気象条件のもと午前と午後の2セッションが各3時間ずつ行われた。
チームは今季すでに2017年仕様マシンで5回の非公式テストを行っており、その走行距離は合計3万kmに達する。モンツァでのテストは、2週間後に迫った開幕戦シルバーストン6時間に向け、実走データを集める最後のチャンスとなった。
TGRは前日と同様、7号車TS050ハイブリッドを小林可夢偉、マイク・コンウェイ、国本雄資の3名がドライブ。また、8号車には中嶋一貴、アンソニー・デビットソン、ニコラス・ラピエールが乗り込み、2日目のテストに臨んでいる。
■佐藤俊夫TRG代表「ル・マンに向け充実したテストとなった」
テストが行われたこの週末、2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権でチャンピオンを獲得した国本と、2014年以来のチーム復帰となったラピエールは、初めて公の場でTS050ハイブリッドをドライブすることとなった。
両名ともレギュラードライバーに劣らぬ速さをみせ、特にラピエールは2日間にわたるテストの総合ベストタイムを記録するなど、持ち前のスピードを発揮。また、国本も自身初走行となるモンツァでチームメイトと遜色ないタイムで走るなど、高い適応力を示している。
そんな国本がドライブした7号車では、小林とコンウェイが、第2戦スパ・フランコルシャン6時間から投入するローダウンフォース仕様の最適化を行なった。
一方の8号車は、中嶋とデビッドソンがそれぞれ50周以上を走破。貴重な実車の走行データの収集に務めた。
土日の2日間にわたり計5回のセッションが行われた今回のテストで、2台の2017年型TS050ハイブリッドは合計649周、3719kmを走破した。また、2日目午後のセッションではラピエールが2日間を通してのベストタイムをマークしている。
テストを終え、TOYOTA GAZOO Racingの佐藤俊男代表は次のように語った。
「ローダウンフォース仕様を評価するのに適した超高速サーキットで、合同テストを行えたのは素晴らしいことです」
「合計14時間におよぶ走行時間を活用して多くのデータを得ることができ、ル・マン24時間レースに向けて充実した準備となりました」
「ローダウンフォース仕様に関しては、ここモンツァではよい感触を得ることができました。しかし、引き続き、シルバーストンで投入予定のハイダウンフォース仕様の開発に全力を尽くしたいと思います」
2017年WEC開幕戦シルバーストンは、4月14日(金)に2回の公式練習が行われ、15日(土)の公式予選を経て翌16日(日)、6時間の決勝レースが開催される。