4月1、2日に2017年のスーパー耐久シリーズがツインリンクもてぎで開催。これまで5時間レースで行われてきたが、今年は200分間の2レース開催に改められた。土曜日に行われたグループ2の決勝では、新設されたST-RクラスのTCR車両、ホンダシビックType Rがデビューウインを飾った。
スーパー耐久シリーズの開幕戦が、4月1~2日にツインリンクもてぎで開催された。これまで全クラス混走の5時間レースとして、もてぎでは開催されてきたが、今年は2グループに分けて200分間レースとしての開催となった。
土曜日に行われたグループ2のレースは新設された、TCR車両によるST-Rクラス、ST-1クラス、ST-2クラス、そしてST-5クラスによって争われた。
ポールポジションを獲得した、31号車Nissoku Porsche 991 GT3 Cupの影山正美がスタートと同時に逃げ続け、ST-1クラスの真骨頂を見せつける。しかし、1分20秒もリードを引き継いだ伊藤勝人が、44周目に痛恨のコースアウト。復帰に2周を要し、トップ争いから脱落してしまう。
これでトップに立ったのは、ST-Rクラスの98号車Modulo CIVIC TCRの黒澤琢弥/石川京侍/加藤寛規組だった。決勝が始まって間もなく黒澤がスタート違反を犯し、ドライビングスルーペナルティを課せられるも、石川とともに見せた激しい追い上げが実を結ぶこととなった。
98号車に迫ったのは、同じModulo CIVIC TCRを駆るチームメイトの伊藤真一/海老澤紳一/中野信治組。最終スティントを担当した加藤は燃費走行を強いられたため、中野の接近を許したものの、逃げ切りに成功。デビュー戦で1-2フィニッシュを果たし、TCR車両の侮りがたい戦闘力をアピールすることとなった。
総合3位はST-1クラスの51号車Diamango BMW Z4を駆る、細川慎弥/池田大佑/石原将光組が獲得し、初めてのクラス優勝を果たす。
続く総合4位はST-2クラスのRSオガワADVANランサーを駆る、20号車の下垣和也/松本武士/近藤説秀組が獲得。久々のクラス優勝を飾っている。そして、ST-5クラスではヒロボン/寺西玲央/高橋宏明組の700号車J’S RACINGホンダカーズ浜松北ダークみきゃんFITが初戦を制覇した。
日曜日に行われたグループ1で、ポールポジションを獲得したのは永井宏明/佐々木孝太組の8号車ARN Ferrari 488 GT3。ST-Xクラスの連覇を狙う、内田雄大/藤井誠暢/平峰一貴組の1号車スリーボンド日産自動車大学校GT-Rは予選3番手に甘んじてしまう。
しかし、決勝がスタートすると藤井が、永井の虚をついて1コーナーでトップに。続いて永井をかわした3号車ENDLESS ADVAN GT-Rの山内英輝を、藤井はまったく寄せつけず内田にバトンタッチ。内田も周回を重ねるごとリードを広げて、平峰に約20秒のリードをプレゼントする。それをしっかり守って、王者の貫禄とも言える今季1勝目を挙げた。
2位はYUKE TANIGUCHI/山内/元嶋佑弥組のENDLESS ADVAN GT-R、そして3位は植松忠雄/星野一樹/藤波清斗組の99号車Y’s distraction GTNET GT-Rが獲得し、GT-R勢が表彰台を独占した。
ST-3クラスは、38号車muta Racing TWS IS350を駆る、堀田誠/阪口良平組の圧勝に。昨年と同じくレクサスIS350での参戦ながら、今年はハコ替えを敢行。剛性アップなど、その効果は十分にあったようだ。2位は手塚祐弥/前嶋秀司/鈴木陽組の39号車ADVICS TRACY RC350が獲得した。
ST-4クラスでは予選でトップだったSKR ENGINEERING S2000を駆る、93号車の太田侑弥と佐々木雅弘がそれぞれロングスティントを担当。義務づけられた2回のピットストップを済ませたのは、ゴールまで30分というところだった。代わる前のリードは約40秒とあって、その後は松井孝允/蒲生尚弥/井口卓人組の86号車TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86にトップを明け渡したが、佐々木が10秒差を瞬く間に詰めることに。ストレートスピードに勝るS2000を相手に、松井ですら抵抗を許されず、ゴールまであと10分で逆転。この日の佐々木は86/BRZレースと併せ、Wウインに成功した。
スーパー耐久第2戦は、4月29、30日にスポーツランドSUGOで3時間耐久レースが開催される。