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スーパーフォーミュラ富士公式テスト:トムスがオフ完全制覇。2日目は平川がトップ

2017年04月02日 13:41  AUTOSPORT web

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久々のスーパーフォーミュラながら速さをアピールした平川
スーパーフォーミュラ富士公式テストは2日目(4月1日)の午後、中止になった午前の走行時間分を組み込むかたちで3時間のロングセッションを実施して終了した。トップタイムはVANTELIN TEAM TOM’Sの中嶋一貴の代役として37号車をドライブした平川亮がマークしている。

 前日の夕刻から降った雪によるコンディション不良のため、午前11~12時に予定されていたセッションは中止されたが、この日の富士の天候は雨が時折パラつきはするものの基本的には曇りで、次第に明るさも増してくる状況。昼前にはコースサイド芝生部分に残っていた雪もほとんど消え、ピットロード作業エリアの路面もまだら乾きの状態まで回復する。

 午後のセッションは当初予定の2~4時を、1時30分~4時30分に拡大しての実施となった。開始時の路面は次第にドライ部分が広がってきている状況で、大半のマシンはレインタイヤで走行を始めたが、すぐにスリックに交換するマシンや最初からスリックでコースインするマシンも散見された。

 代役ラッシュとなっている今回のテスト、トムス37号車には当初予定通り、前日のジェームス・ロシターに代わってこの日は平川亮が搭乗。また、前日のクラッシュの影響が懸念された山本尚貴(TEAM無限)はマシンの修復が間に合い、走行に参加することが可能となった。当初想定されたほどのマシンダメージはなかったようである。

 開始10分ほどで塚越広大(REAL RACING)のマシンを回収するために最初の赤旗が出たのち、セッションが再開されるとしばらくは各陣営が乾き待ちに入ったような流れとなるが、開始30分を過ぎる頃には1分24秒台がマークされ、ほぼ完全ドライと呼べる水準にタイムペースが上がる。コースインするマシンも増え、やがて1分23秒台が主流に。

 開始1時間10分の時点で石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が最初に1分22秒台へと入り、前日首位からコンマ4秒落ちの1分22秒591をマーク。その数分後、野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)のマシンがトヨペット100R付近でストップし、2度目の赤旗中断。

 セッション半ば頃にはコースの一部で雨がパラついているという情報ももたらされたが、タイムペース自体は維持され、石浦以外にも1分22秒台が出てくる。その後、塚越がトヨペット100Rでストップし、セッション3度目の赤旗中断に。

 残り1時間を切って再び雨の情報が入るが、タイムペースの落ち込みは見られない。残り50分、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がセクター3で止まり、4度目の赤旗。そしてセッション再開後にはピットロードでも連続的に雨滴を感じるようになったが、残り約30分というところでジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(VANTELIN TEAM TOM'S)が1分22秒561を出し、トップに立つ。これを平川が1分22秒285で塗りかえ、さらに石浦が1分22秒180まで詰める。

■今季のスーパーフォーミュラはテストでの勢力図が明確に


 セッション終盤の7~8分は予選さながらのようなタイムアップ攻防となった。雨の影響を感じさせないくらいにタイム更新が繰り返されていくが、これは雨が降っていなければもっと速いタイムゾーンに入った、と見るエンジニアもいた状況で、影響自体はあったようだ。

 そのなかでオリベイラが1分22秒の壁を破り、1分21秒808で首位奪還。すると今度は平川が1分21秒628でトップへ。このタイムが最終的にトップタイムとなり、平川、オリベイラの順でトムスがワン・ツー。レギュラー完全不在ながら富士でも連日のトップタイムで、トムスは鈴鹿と富士の公式テスト4日間をすべてトップで終えることとなった。

 久々のSF14ドライブだった平川は、今回のトムスのマシンを「マイルドでクセがなく、自分の意思どおりに動く感じでした」と評し、「感覚的にはもう1周あとの方がタイヤ的にもっと良かった気もしますし、実際、タイムが出た次の周もアタックしていてセクター2まで良かったんですけどね。最後の直線ではもうオーバーテイクボタンが残っていませんでした」と、さらに速いタイムを出せた可能性も示唆。チームの好調ぶりと同時に、自身もブランクを感じさせないスピードをアピールした。

 トムス勢とともに21秒台に入る3番手タイムをマークしたのはピエール・ガスリー(TEAM無限)。チェッカーラップの途中までは最速ペースでもあったが、1分21秒956にとどまり、トムスの牙城は崩せなかった。ただ、ガスリーは公式テスト4日連続のホンダ勢首位。どんな状況でも上にいる速さもさることながら、この日はスタート練習を精力的にこなしている姿が印象的で、実戦への備えを着実に進めているようだった。

 これでスーパーフォーミュラは開幕前の公式合同テストを終了。トムスの好調と新人ガスリーの充実ぶりが際立って見える状況で、開幕戦鈴鹿を迎えることになる。


■スーパーフォーミュラ公式テスト富士 2日目結果
Pos.No.DriverTeamEngineTimeGap137平川亮VANTELIN TEAM TOM’SトヨタRI4A1'21.628-236J-P.デ・オリベイラVANTELIN TEAM TOM’SトヨタRI4A1'21.8080.180315P.ガスリーTEAM無限ホンダHR-417E1'21.9560.328420J.マーデンボローITOCHU ENEX TEAM IMPULトヨタRI4A1'22.0730.445516山本尚貴TEAM無限ホンダHR-417E1'22.0810.45362石浦宏明P.MU/CERUMO・INGINGトヨタRI4A1'22.1800.552718中山雄一KCMGトヨタRI4A1'22.6621.034841伊沢拓也DOCOMO TEAM DANDELION RACINGホンダHR-417E1'22.6931.065965N.カーティケヤンTCS NAKAJIMA RACINGホンダHR-417E1'22.8531.2251010塚越広大REAL RACINGホンダHR-417E1'22.9601.3321119関口雄飛ITOCHU ENEX TEAM IMPULトヨタRI4A1'22.9641.3361264中嶋大祐TCS NAKAJIMA RACINGホンダHR-417E1'23.1531.525138大嶋和也SUNOCO TEAM LEMANSトヨタRI4A1'23.1931.5651440野尻智紀DOCOMO TEAM DANDELION RACINGホンダHR-417E1'23.2771.649153N.キャシディKONDO RACINGトヨタRI4A1'23.3051.677161立川祐路P.MU/CERUMO・INGINGトヨタRI4A1'23.3321.7041750小暮卓史B-Max Racing teamホンダHR-417E1'23.3891.761184山下健太KONDO RACINGトヨタRI4A1'23.4691.841197平手晃平SUNOCO TEAM LEMANSトヨタRI4A1'23.7312.103