ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは、チームが過去最高の予選結果を獲得したにもかかわらず、開幕戦オーストラリアGPをノーポイントで終わったことに、いらだちを感じている。
ロマン・グロージャンは予選では中団グループのライバルたちが驚くほどのスピードを発揮し、新車『VF-17』でメルボルンの6番グリッドを獲得。しかし決勝13周目を7番手で走行中に水漏れのトラブルが発生したことで、リタイアを余儀なくされた。
今シーズンから新たにチームメイトとなったケビン・マグヌッセンは17番グリッドからスタートしたものの、ザウバーのマーカス・エリクソンと接触し、レース序盤で同じくリタイアとなった。悔しい結果となった開幕戦を、シュタイナーは以下のように振り返る。
「マシンの調子は良く、(ドライバーたちは)ふたりとも、特にロマンはとてもポジティブだった。彼は速さを実感していて、トロロッソを簡単に引き離せるだろうことは誰の目にも明らかだった。マシンにはスピードがあった」
「それなのに、いつもこうなってしまう……。こんなチャンスが、あと何回あるだろうか? 競争の激しい中団グループで、チャンスを失ってしまった。残念ではあるが、これより悪い状況もあり得た。もっと遅くなってしまう可能性もあった」
参戦2年目となるシーズンの序盤でポイントを貯めるチャンスを逃したことを嘆く一方で、アルバートパークでのマシンのペースは、今後もチームが得点の機会に恵まれる可能性があることを示しているとシュタイナーは考える。
「マシンは本来の性能を見せた。各チームの実力が明るみに出て、誰がどのレベルにあるかが見えるようになった。セットアップでしくじる可能性があるとはいえ、概してマシンにはスピードがある」
「我々には優れたアップデートの計画があるので、前向きな気分でいる。私はただ逃したチャンスにいらだっているだけなんだ。6位や7位でのフィニッシュが、簡単に実現するところだった。簡単に手にできたはずのチャンスを、最後まで問題を起こすことなく掴み取らなければならなかったんだ」
デビューイヤーだった昨シーズン、ハースは29ポイントを獲得したが、そのうちの22ポイントは最初の4戦で得たものだった。ところが、チームはシーズンが進むに従って順位を落としていく。2017年の目標は、どのサーキットでも安定した速さと高い信頼性を発揮することだとシュタイナーは言う。
「信頼性を高めることの方が、速度を求めるより簡単だと思っている。我々にはすでにスピードがある。そのスピードを、どのコースのどんな場所でも、昨シーズンよりも安定的に出す必要がある。今季はそれが可能だと考えている」
「繰り返しになるが、我々には信頼性も必要だ。最速のマシンを持っていたとしても、壊れてしまったらポイントを稼ぐことは不可能だ」