バレンティーノ・ロッシがMotoGPトップ集団との間に抱えていた速度不足は、シーズン開幕戦カタールGPが終わって“解消した”とヤマハのクルーチーフを務めるシルヴァーノ・ガルブセラは考えている。
新チームメイトのマーベリック・ビニャーレスが4回のオフシーズンテストすべでトップタイムを出す一方、最高峰クラスで7度のチャンピオンを獲得したロッシはビニャーレスに遅れをとることになり、厳しいオフシーズンに苦しんだ。
しかし先週の開幕戦カタールGPでロッシは10番グリッドからスタートし3位表彰台を獲得。態勢を立て直した。
ロッシはレースウイーク初日のフリー走行で行ったセットアップの変更のおかげで状況が変わったと考えている。またガルブセラは、この先のシーズンに向けてロッシの役に立つセットアップができたと確信している。
「否定しても無意味だが、(レースの)前日は心配していた」とガルブセラはガゼッタ・デロ・スポルト紙のインタビューで語った。
「心配どころか、最初のレースの後は爽快な気分になったよ」
「テストからの(トップライダーたちとの)隔たりはすべてなくなった。最後は1秒ではなくおよそ10分の1秒ぐらいの差しかなかった」
「これが普通の状態だ。テストでの状態は普通ではなかったのだ」
「我々は良い方向に向かっているのが分かっていた。だから、何も分からないまま始めたわけではない。ただどれ程良くなったのか分からなかった」
「タイヤがもたないだろうと思っていたから、最後は神経質になっていたがね」
ロッシが苦戦してきたのは、昨シーズンに比べて柔らかめのケーシング構造になったミシュランの2017年型フロントタイヤの感触が掴めなかったことに原因があり、それによりコーナーに進入する際のフィーリングとタイミングを失っていたと感じている。
ガルブセラは、ロッシがレース終盤でもタイヤの感触をコントロールしなければならなかったことを認めたが、今後のレースに導入されるとみられる硬めのタイヤがあれば、彼の走行は楽になると考えている。
「バレンティーノのフロントタイヤは柔らかすぎてかなり動いた」とガルブセラ。
「特に最後のほうでは卵の殻の上にでも乗っているように、慎重に走らせなければならなかった」
「アルゼンチン、そしてオースティンでは(ミシュランは)もっと硬いタイヤを持ち込むはずだ。だから、タイヤがより良く動いてくれるだろう」
「次のレースから何が起こるか、とても気になるね」