先月から実施されているプレミアムフライデー。マーケティング調査会社のインテージの事後調査では、実際に「早く帰った」と答えた人は3.7%しかいなかったと判明している。今日は奇しくも年度末とあり、ツイッターでは
「年度末の忙しい日に帰れるわけ無いやろ」
「こんな月末&年度末の金曜日にプレミアムフライデー実行したらクビだろうよ」
「定時で帰れるのすら絶望的(泣)恩恵を受けているプレミアムな人は本当にいるのか!? 都市伝説じゃないの!?」
といった悲鳴が上がっている。ネットでは早くも「プレミアムフライデー無理ゲー」な雰囲気が出来つつあるが、実際の街の様子はどうなのか。キャリコネニュースの記者は前回と同様、新橋に向かった。
「いつもの金曜日」「先週と比べても人通りは変わらない」
17時15分。雨の新橋駅前では古本市が開かれており、いつもの駅までとは少し違う風景が広がっている。駅前の交番にいた警察官に、いつもより賑わっているのではないかと、聞いたところ、
「雨ってこともあるんでしょうか、人通りは多くないですね。いつもの金曜日と違った印象はありません」
と返ってきた。居酒屋の宣伝をしていた男性2人組も「いやー全然変わんないですね。先週と比べても変わんないです」と、予想に反して、プレミアムフライデーなどどこ吹く風、といった様子だ。
唯一、人通りが多いと話してくれたのは、駅前で不動産のティッシュとチラシを配る男性だ。
「11時からここにきて配っていますが、15時前あたりからスーツを着たサラリーマンの方が多いなあと思って見ていました」
「そういえば今日はプレミアムフライデーって全然聞かない」
しかし、新橋駅前で割烹屋を営む店主は「この雨だし、プレミアムフライデーも始まったばかりだし、今日のお客さんの入りは予想つかないねえ」と話す。
「角ハイ、いつも500円なんだけど、今日はプレミアムフライデーに合わせて250円にしてる。でもお客さんが急に増えたとかはないね。年度末だし」
と、効果はいまいちのようだ。
2月のプレミアムフライデーで取材した居酒屋に行ってみると、10人程度のサラリーマングループが来店していた。そのうち4人はプレミアムフライデーを名目に、自主的に仕事を切り上げてきたという。
「まあ、有休が余ってたから、無くなる前に消費しようと思ったんですけどね」
出版会社で働いており、今日はたまたま仕事が進まずに帰ってきたそうだ。
プレミアムフライデーは今後定着すると思うか聞くと、「クールビズ並みに力をいれてやらないとだめ」と否定的な感想が出てきた。
「先月のプレミアムフライデーは22時まで会社に残って残業をしていましたよ。自主的に取れって言ったって、誰も取らない。いっそ就業規則の中に月末金曜日は15時終わりにするとか組み込んじゃえばいいのに」
「というか金曜日はやっぱりだめじゃないですかね。プレミアムマンデーのほうが」
と、口々にこぼす。「先月はあんなに盛り上がってたのに、そういえば今日はプレミアムフライデーって全然聞かないね」と、早くも人々の中で存在感が薄れている様子が伺える。
ネットでは「そのうち二千円札同様、あるのかないのか?分からなくなりそう」との声も聞かれるプレミアムフライデー。年度末の今日、あなたはプレミアムな一日でしたか?