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マイケル・J・フォックス パーキンソン病が悪化「コーヒーも運べない」

2017年03月31日 17:44  Techinsight Japan

Techinsight Japan

病状悪化も、前向きなマイケル・J・フォックス
大ヒット映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズへの主演で一躍トップ俳優になり、その後も順調に俳優活動を続けていたマイケル・J・フォックス(55)。しかし1990年頃からパーキンソン病の兆候が見られるようになり、数年後には第一線を退かざるを得ない状態に陥った。その一方でパーキンソン病リサーチ財団を立ち上げるなどしたマイケルは2013年、ドラマに主演。病気に負けることなくできる範囲で活動を展開し、世界中の人々に勇気を与えている。だがその症状はずいぶん進行しているもよう。最近ではコーヒーをテーブルに運ぶことも難しいという。

このほどマイケル・J・フォックスが『AARP』のインタビューに応じ、現在の病状についてこう語った。

「真実はこうさ。ほぼ毎日、その症状に思わず笑いが止まらなくなってしまうことがあるんだ。」
「この前の朝はキッチンに行って、こう思ったよ。ああ、コーヒーだ。コーヒーが飲みたいってね。でも待てよ、(妻の)トレイシーにまずはコーヒーを入れてあげようと思った。その時、彼女はテーブルについて新聞を読んでいたんだ。」

しかし今のマイケルは、簡単な作業にもひと苦労するという。

「そう。まずはカップにコーヒーを入れるわけだけど、そこでまずちょっと苦労する。そして両手でカップを持って運ぼうとすると、じっと見ている妻に『取りに行きましょうか、あなた?』なんて言われるんだ。『いいよ、僕が運ぶから』って答えて、キッチンの端から端までノロノロと進み始めるのさ。最初もマズイけど、状況はますます悪化さ。熱いコーヒーが手にかかるし、床にもこぼれるし…。」
「テーブルにつくまでにカップにはコーヒーが残ってもいない。『さあ、君のコーヒーだ。美味しく飲んでくれ!』って感じだよ。」

ずいぶん症状が進んだかのように思えるが、マイケルはふとそんな自分の状況を笑ってしまうそうだ。

「そうさ。そんな姿を人に見られたら『可哀想なマイケル、コーヒーも入れられないなんて悲しい話』って思われちゃう。そう考えると、なんだか面白くなるね。」

そんなマイケルは非常に前向きで、心配する人達に対しても「大丈夫さ」と言い続けてきたのだそう。次第に自分と同情する人の感覚のズレを「笑っちゃう」と思えるようになったものの、パーキンソン病と闘い昨年死去した故モハメド・アリが生前電話をかけてきた日には、胸が熱くなったという。

「自宅にいた僕に、モハメドから電話があったんだ。しゃがれて弱々しい声で、こう言われたんだ。『ああ、マイケル。君も同じ病気と闘っているんだね。だから俺達は、一緒にこの病気に勝つんだ』と。もう言葉もなかった。ひとりで椅子に座り、“伝説の男”モハメドの話を聞いていたんだから。あの時の僕は、涙が出そうだった。」

時には不安を感じながら、なるべく明るく前だけを向いて歩いてきたマイケル。その症状は確実に悪化しており、昨年は外食後になかなか車に乗ることができない姿を目撃された。しかし治療法が見つかる日が来ると信じて財団の活動に精を出すマイケルを、世界中の大勢のファンが心から応援している。
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)