昨年までアウディからWEC世界耐久選手権に参戦していたマルセル・ファスラーは、トヨタから2017年のル・マン24時間耐久レース出場を打診されていたことを明かした。
これまでル・マンで3度の優勝経験を持つファスラーは、昨年限りでアウディがLMP1クラスでの活動を終了したことに伴い、シートを喪失。
しかし、ファスラーはその後もアウディ陣営に留まり、今季はベルジャン・アウディクラブ・チームWRTからブランパンGTシリーズ・スプリントカップへ参戦する。
そんなファスラーは、トヨタから3台目のTS050ハイブリッドに関するオファーを受けていたとコメント。「魅力的な提案だったが、合意に至らなかった」と明かした。
「いずれにせよ、こういった誘いを受けたことを嬉しく思うよ」
「実現できれば最高だったけど、アウディに留まりながら、トヨタのために戦うことは不可能だった」
「ただ、これだけははっきりさせておきたい。僕はGT3レースで戦うことをとても楽しみにしているんだ。ル・マン参戦のチャンスを得るために、最大限の努力をしなかっただけだ」
なお、同じくアウディLMP1プログラムから放出されたドライバーのうち、アンドレ・ロッテラーとオリバー・ジャービスは他チームへ移籍しWEC参戦を継続。また、ブノワ・トレルイエは、ファスラーと同じくブランパンGTに参戦する。
「今季のプログラムと、参戦するレース数にも満足している」とファスラー。
「今年は16戦に出場する予定なんだ。これは去年の倍の数字だよ」
「LMP1と比べれば、GT3マシンは洗練さに欠け、速くもないけれど、参戦しているドライバーのレベルはとても高いんだ」
なお、トヨタがWEC序盤に投入する3台目のTS050ハイブリッドは、ステファン・サラザン、ニコラス・ラピエール、国本雄資の3名がドライブする。