メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、2017年開幕戦オーストラリアで勝利を逃した後、今季マシンW08の重量を減らすための対策を講じる必要があるとの考えを示した。
フェラーリのセバスチャン・ベッテルが優勝を飾り、ポールポジションから2位でフィニッシュしたルイス・ハミルトンは、タイヤの使い方を改善しなければならないと語った。一方で、ウォルフは、マシンの重量も課題のひとつであると述べている。
規則変更により、コーナリングスピードが上がり大きな負荷がかかる影響で、多数のコンポーネントが装着され、今シーズンを4基で乗り切らなければならないためエンジンのパーツもより頑丈に作られた。規則で定められた最低重量は728kgだが、メルセデスのマシン重量はこれに近づけることができずにいるといわれている。
重量が大きいとラップタイムに響く。さらに、ベースのマシンの重量を抑えて、ハンドリング向上のためにバラストを配置できれば有利だが、それがしづらくなる。
Auto Motor Und SportはW08の重量は最低重量728kgを5kg上まわっていると伝えている。ウォルフはそれについて言及しないものの、マシン重量を減らすための取り組みを行っていると認めた。
「詳細についてお話しするつもりはないが、(マシンの重量は)改善できるエリアだ」とウォルフ。
「新レギュレーションとマシンのサイズの影響で、パフォーマンスパーツと重量の最適なバランスを常に探す必要がある」
「今まさに我々はそれを行っているところだ」
重量に悩んでいるのはメルセデスだけではない。レッドブルは、FIAが“トリックサスペンション”の禁止を明確に示した後、開発中の複雑なサスペンションシステムの導入を取りやめたが、このシステムの重量が大きかったことも断念する理由のひとつだったといわれている。
フォース・インディアもマシン重量に悩んでおり、ドライバーたちに減量を指示した。しかしバーレーンGPまでには問題を解決できる見込みだとチーム副代表のボブ・ファーンリーは述べている。
「重量はすでに問題ない。軽量化に努めており、まだ十分ではないが、バーレーンまでには、バラストを理想的な場所に設置できるだけの余裕を確保できるだろう」とファーンリーは語った。