バルテリ・ボッタスはたった1回のグランプリの結果で2017年型F1マシンでのオーバーテイクは不可能と判断するのは間違いだと考えており、いくつかのサーキットでは良いレース展開が期待できると主張している。
先週末にメルボルンで開催された開幕戦ではオーバーテイクがほとんど見られなかったが、アルバートパークはかねてからF1での追い抜きが難しいとされてきた。そのためルノーのニコ・ヒュルケンベルグは、追い抜きは乱気流のために「ほぼ不可能」と語り、FIA会長のジャン・トッドも、追い抜きが減るのは速いマシンを得た代償だとの考えを示した。
ボッタスはオーストラリアで起きたことがすべてのコースで繰り返されるわけではなく、特に長いストレートのある次戦の中国GPでは、まったく違う展開もあり得ると考えている。コース特性とレギュレーションのどちらが、オーストラリアGPでのオーバーテイクを困難にしたのだろうか。ボッタスはこう話している。
「全体的には多少難しくなったと思うが、コースによっても違いが出る。スリップストリームの影響は大きくなり、いまのリヤウイングのおかげでDRSの効果も増しているから、長いストレートがあるサーキットでは良いレース展開になる」
「いくつかのコースでは面白いレースになるだろうが、バルセロナのようなサーキットではオーバーテイクが非常に難しくなる。あと数レースは、今後がどうなっていくかに注目していよう。ただ、(オーストラリアが)昨年より厳しかったのは確かだ」
増大したダウンフォースにより、オーバーテイクがさらに難しくなることは多くのドライバーが予想していた。ボッタスは、それが現実になったことを残念に思っている。アルバートパークでのオーバーテイクに関して、彼は以下のように語った。
「同等のマシンで似たタイヤを履いていたら、こういったコースでは(オーバーテイクは)極めて難しいと思う。新しいマシンでは、先行するマシンの2秒差以内に近づいた途端、追いかけるのが難しくなる。グリップをかなり失ってしまうんだ」
「つまりオーバーテイクを試みるなら、大きな速度差が必要だ。僕はこのことを少し残念に思っている」
フェラーリのキミ・ライコネンも、アルバートパークのレースは今季のオーバーテイクの可能性を正しく反映したものではないというボッタスの意見と、同様の考えだ。新しいマシンでは周回遅れのマシンの追い抜きが楽になったという事実を受け、事態は一部で指摘されているほど悪くないとライコネンは言う。
「周回遅れのマシンを抜くのは、これまでより楽だと感じた。もちろんチーム間の差が大きいので、相手次第ではある。トップチームのトップレベルのマシンが相手だったら、オーバーテイクは決して簡単にはならない。ピットストップのタイミング、タイヤのデグラデーションの状態、全体的なマシンのスピードなどに大きく左右されるんだ」