ロードレース世界選手権(WGP、現MotoGP)で25勝を記録したレジェンドライダー、ケビン・シュワンツは、レプソル・ホンダのマルク・マルケスとモビスター・ヤマハのマーベリック・ビニャーレスとの競り合いが“MotoGPが必要とするもの”だと考えている。
ビニャーレスはスズキでMotoGPクラスデビューし、サーキットで強い印象を残した。そして、2017年にはドゥカティへ移籍するホルヘ・ロレンソの後任としてヤマハに加入した。
ビニャーレスはオフシーズンテストで他を圧倒する速さを見せ、先週末の開幕戦カタールGPでは優勝を飾った。新チームでのデビュー戦で優勝したライダーは2011年のケーシー・ストーナー以来となる。
WGP500ccクラス時代にシュワンツは、同じアメリカ人のウェイン・レイニーと激しいライバル関係にあった。1993年にレイニーがレース中にキャリアを終わらせることになる怪我を負い、シュワンツがその年のタイトルを獲得することになった。
シュワンツはビニャーレスとマルケスがMotoGPの歴史に彼ら自身の素晴らしい一章を刻めるのではないかと考えている。
「マーベリックが22歳でマルクが24歳、2人ともスペイン人だから、シュワンツ対レイニーのようなライバル関係に発展していくのを間違いなく見られのではないか」とシュワンツは次のように語った。
「(ビニャーレスとマルケスの争いは)6から8シーズンぐらい続くかもしれないし、もし彼らが他の強いライダーにもそうした戦いを仕掛けることができれば、それこそまさにMotoGPが必要としていることだ」
ビニャーレスがヤマハへ移籍後、多くの方面でタイトル獲得の最有力と報じられていたが、彼はそのプレッシャーを受け留めてきた。シュワンツはビニャーレスがヤマハへの移籍を最大限に活用する態勢が整っていると考えているようだ。
「マーベリックはかなり頭がいいと思う。毎週末、チームは必ず繰り返し彼に言うだろう。『このレースはタイトル獲得に向けてのものだ。もし今週少し調子が悪くても獲れるものを獲って来い。バイクを飛ばすようなことをするな』とね」
「誰かビニャーレスを導いてくれる存在がいる限り、彼はうまくやっていくだろう」
「チャンピオンのために努力して絶えず自分がタイトル争いの場にいるようにする。そういった視点を持つべきだ。それがなければ、学ばねばならない」
「だがマーベリックは非常に頼もしいから、彼ができるとみんなが思っている。それが実現することを願っているよ」