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ミッションをクリアしながら、観光スポットも巡る “日本初”街探索型観光GPSゲームとは?

2017年03月30日 19:04  Techinsight Japan

Techinsight Japan

街探索型観光GPSゲーム「2116 feel and color ~それでもここにいる理由」
日本初となる街探索型観光GPSゲーム「2116 feel and color ~それでもここにいる理由」が、群馬県桐生市で展開中だ。このゲームではスマートフォンにダウンロードしたアプリを操作しながら実際に街を歩くと、桐生市街に設置された90箇所のセンサーが反応してストーリーが進行していく。ミッションをクリアしながら桐生市のスポットを周れるようになっているこのゲーム、実際に挑戦した人はどのように感じたのか。3月31日のサービス終了日を前に体験レポートが届いたので、紹介したい。

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ゲームのストーリーは、ある日、100年後の未来にいる見知らぬ少女「ユキ」からのSOSメールが届くところから始まる。プレイヤーは、未来のユキと交信しながら、11のメインミッションをクリアし、敵であるアルカード社・D伯爵との戦いを征して、100年後のキリュウ・シティ(桐生市)を救うことになる。


ゲームは桐生駅付近でアプリを起動することでスタート。第1地点(JR・桐生駅構内)での最初のミッションでは、100年前(私たちにとっては現代)の写真付きの問題がユキから届く。その問題に答えることで、ユキは現代を生きる私たちと交信が取れていることを確認する。(実際にその場所にいるかどうかが確認される。)次の地点が地図上に表示されるので、ここから街散策を始めることになる。

第2地点(桐生駅北口広場)に着くと、再び未来からの信号を受信、クイズをクリアするとユキのおばあちゃんからのメッセージが届く。第3地点(魚民前)では、最初は難しい印象のあるゲームにもプレイヤーは徐々に慣れてくるそうだ。第4地点は、桐生市のコワーキング&コミュニティスペース「ココトモ」だ。ここでは変装名人と出会い、アルカード社の監視の目をかいくぐるべく、“酔っ払いのおじさん”に変装することに。ちなみにトイレ休憩やスマホの充電も可能な便利スポットだ。


さらに第5地点の、明治初期の鉾(ほこ)と屋台をそのままステージとして活用しているユニークな多目的ホール「あーとほーる鉾座」では、頑固な合鍵職人から、次へと進むための鍵を手に入れることに成功した。続けて第6地点として、樹齢300年に及ぶ楠の大木を囲み建ち並ぶ土蔵や煉瓦の蔵が貴重な遺産となっている「有鄰館」へ、第7地点として、菅原道真公を御祭神とする「天満宮」へ。アルカード社へ行くためのハッキングキーを見つけ、第8地点(北幼稚園前の歩道橋)を経て、いよいよD伯爵のいるアルカード社の本部へと向かうことに。


第9地点(アルカード社)では部屋に入ると、一面真っ白な部屋にプロジェクションマッピングの幻想的な映像が床や天井など一面に投影され、プロジェクションマッピングとスマートフォンのセンサーを組み合わせた、全身で楽しめる大迫力の仕掛けになっているという。ここでD伯爵との最後のバトルが繰り広げられるわけだ。エンディングは、バトルの勝敗によって変わるマルチエンディングになっている。


同ゲームは、群馬県桐生市と、同市出身のゲームクリエーターである株式会社ニュートロンスターの殿岡康永氏、NPO法人キッズバレイ等が協働し、桐生市の魅力を誰でも楽しみながら体験できる観光インフラとして展開したもの。実際にゲームをしたプレイヤーは「スタート地点の桐生駅からゴールの北幼稚園までは徒歩で約30分ですが、ゲームをしながら進めていると、その距離を感じません。スマートフォンと実際の市街地が連動したGPSゲームは、地域観光の新たな形態として可能性を感じるものでした。特に、D伯爵との戦いは、近年のテクノロジーを駆使した仕様になっており、観光とテクノロジーを融合したプロジェクトでした」と感想を述べて、「一風変わった観光を楽しみたい方はもちろん、IoT技術、地域振興に関心のある方も参考になるのではないでしょうか」と今後の利用価値についても示唆している。
(TechinsightJapan編集部 高沢みはる)