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ほっともっと店長「名ばかり管理職」訴訟、静岡に続き、大分でも運営会社敗訴

2017年03月30日 16:33  弁護士ドットコム

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弁当チェーン「ほっともっと」の店長だった30代の男性が、管理職であることを理由に残業代が支払われない、いわゆる「名ばかり管理職」だったとして、未払い残業代など約2010万円を求めた訴訟の判決が3月30日、大分地裁であった。竹内浩史裁判長は、自由裁量や給与の少なさなどから、男性は管理監督者には当たらないとして、運営会社のプレナス(福岡市)に約1010万円の支払いを命じた。


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プレナスは今年2月、静岡地裁でも同種の訴訟で敗訴(確定)。全国の店舗が、名ばかり管理職で運営されている実態が明らかになってきた。また、3月2日には、下請業者に支払うべき代金の一部を不当に減額したとして、下請法違反で公正取引委員会から勧告を受けている(各業者に返還済み)。


原告の男性は、2010年に入社し、大分県で店長として勤務。その後、東日本大震災による人手不足を理由に、栃木県へ転勤になった。裁判では、この栃木時代の2012年6月から2年分の未払い残業代などを請求。この間の時間外労働は、ほぼ月100時間を超えており、219時間を記録した月もあった。


男性は退職後、労働基準監督署に相談。2014年9月には、労基署から是正勧告が出されたにもかかわらず、会社側が残業代を支払わなかったため、裁判を決意した。当時の男性の年収は社員平均より50万円ほど低く、時給換算するとパート・アルバイトとほぼ同じ金額だったという。


男性には精神疾患などの健康被害はなかったが、裁判では長時間労働を理由に、会社の健康配慮義務違反も主張していた。しかし、判決では、未払い残業代は全額認められたものの、同義務違反や付加金は認められなかった。


男性の代理人を務めた玉木正明弁護士は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「実態を見て判断してもらったことは評価できる。ただ、健康被害は今後顕在化する可能性がある。実際に健康被害がなくて認定された裁判例もあるので、健康配慮義務違反が認められなかったのは残念だ」と語った。控訴するかは検討中だという。


プレナスは「判決文を確認していないので、コメントは控えたい」。労働問題での裁判が続いたことについては、「職場環境の向上に努めていきたい」と話した。同社によると、ほっともっとの店長は「管理監督者」として扱われており、全国で基本的な仕事内容や給与は変わらないという。2017年1月現在、同社が運営するほっともっと直営店は875店舗ある。


(弁護士ドットコムニュース)