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佐藤オオキ×勅使河原茜、イサム・ノグチの石庭「天国」で花と鏡の世界を創出

2017年03月28日 22:34  Fashionsnap.com

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イサム・ノグチ制作「天国」を会場に開かれたプロローグ作品の展示の様子 Image by: FASHIONSNAP
草月創流の90周年を記念し、第四代家元 勅使河原茜による個展「勅使河原茜 個展 HANA SO」が4月5日から10日まで開催される。丹下健三が設計した草月会館1階にあるイサム・ノグチが制作した石庭「天国」を舞台に、佐藤オオキが率いるネンド(nendo)が会場構成を担当。3月28日の今日、関係者向けに一夜限定でプロローグ作品が披露された。

勅使河原茜の個展 nendoが会場構成の画像を拡大

 草月流は、初代家元の勅使河原蒼風が形式主体のいけばなに疑問を抱き、個性を尊重した自由な表現を求めたことから1927年に誕生。今年90周年を迎えることを記念して開かれる今回の個展で、勅使河原茜は「見慣れた存在だった『天国』を変貌して使いたい」という気持ちがあり、nendoが草月会館にオフィスを移転させた縁から佐藤オオキに会場構成を依頼したという。会場デザインは、あらかじめ決まっている展示作品を活かす空間を考えるのが通常だが、同展は空間からインスピレーションを得てから花をいけるという真逆のプロセスで進行。全面ガラス張りであしらわれているエントランスに近接することから、佐藤は「外にいるような感覚がある。映り込みを取り入れ、強調させたかった」と考え、0.5ミリ厚の鏡面仕上げのステンレス板を用いた約2,150の「鏡のツタ」を全面にあしらい、「作品が万華鏡のように広がる」イメージで"鏡の世界"を創出した。鏡のツタは石庭を完全に覆わずに見え隠れするように配置し、「鏡の虚像と実像を共存させることで魅力を高めた」という。
 勅使河原はプロローグ作品で桜やレンギョウ、ツツギなど旬の花木を使用し、「お客様を迎え入れるような気持ちでいけた」とコメント。4月5日からスタートする個展では「来場者が歩きながら(会場内の)変化を楽しめるような展示にしたい」と話している。小山登美夫ギャラリーの協力により、大野智史、大宮エリー、菅木志雄、日高理恵子、廣瀬智央、山本桂輔の6人とコラボレーションした作品展示も行われる予定だ。
■草月創流90周年記念 勅使河原茜 個展 HANA SO会期:2017年4月5日(水)~10日(月)開場時間:10:00~20:00(5日は18:00閉場、9日は8:00開場)入場無料