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乃木坂46 白石麻衣から欅坂46 渡邉理佐まで……アイドルのモデル起用が増えた背景

2017年03月27日 17:03  リアルサウンド

リアルサウンド

欅坂46『不協和音』(TYPE-C)(DVD付)

 欅坂46の渡邉理佐が、女性ファッション誌『non-no』の専属モデルに選ばれた。ここ数年の間で、アイドルがモデルに起用されるケースが後を絶たない。


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 モーニング娘。が「LOVEマシーン」で一世を風靡したのが2000年。後に2005年、AKB48が誕生。時代はモー娘。が当時の勢いを失い、グラビアアイドルが全盛の時代であった。そこからAKB48が、“国民的アイドルグループ”と呼ばれるほどに台頭していくことになる。コンビニに足を運べば、週刊誌の表紙をAKB48が飾っていることが多く、現在もグラビアアイドルから覇権を奪った状態は続いている。


 そこに新たな息吹をもたらしたのが、乃木坂46。2013年に白石麻衣が『Ray』の専属モデルに抜擢されたのを皮切りに、西野七瀬が『non・no』、松村沙友理とグループを卒業した橋本奈々未が『CanCam』、川後陽菜が『Popteen』、北野日奈子が『Zipper』、レギュラーモデルとして齋藤飛鳥が『sweet』へと起用されている。名前に挙げた人物以外にも、ファッション雑誌の表紙を飾るメンバーは多い。例えば、2017年5月号の『Zipper』では「乃木坂46原宿系選抜」と題し、生駒里奈、北野、齋藤、堀未央奈の4人がカバーガールとして登場。16P別冊付録が付くほど乃木坂46一色の号となった。


 後に続けと、女子中高生向けファッション誌『LOVE berry』では、HKT48の矢吹奈子、田中美久、私立恵比寿中学の中山莉子、AKB48 チーム8の小栗有以、モーニング娘。’17の牧野真莉愛を起用。『Seventeen』では、アンジュルムの佐々木莉佳子がモデルとして活躍するなど、様々なグループからの抜擢が目立つ。AKB48グループは、メンバー自身がモデルを務める公認ブランド「UNEEDNOW」を始動させ、本格的にファッション業界へと進出しようとしている。


  他方、乃木坂46の女性人気はとどまることを知らない。ファッションイベント『東京ガールズコレクション』では常連メンバーとしてランウェイを歩き、黄色い歓声が飛ぶ。年始には「乃木坂46 SHIBUYA109福神」と名付けた、109ブランドとのコラボが話題となった。先日、さいたまスーパーアリーナで開催された『乃木坂46 5th YEAR BIRTHDAY LIVE』では女性ファンの比率の高さが目立っていたが、帰路にて同じライブからの帰りと思わしき女性が、SHIBUYA109福神の紙袋を持っているのを目の当たりにした時は真の女性人気を実感した。


 朝の報道番組でも「女性人気」という括りで、乃木坂46が特集されることが多い。3月24日に放送された『ZIP!』(日本テレビ系)では、今年に入り立て続けに発売されている乃木坂46メンバーの写真集の売り上げに触れ、白石、齋藤、橋本、秋元真夏、桜井玲香の合計売り上げが55万部を突破。その購入者の3割が女性であると報じている。


 かつて、アイドル文化と言えば男性ファンというイメージが一般的であった。しかし、AKB48が世間一般に広まり、モー娘。以降ポピュラーな文化へと発展。さらに、乃木坂46を筆頭にアイドルが女性にとって親しみある憧れの存在へと昇華していった。冒頭で先述した欅坂46は、ロックフェスへの出演という動きも見せている。AKB48、乃木坂46がアイドル文化全体を動かしてきた中で、欅坂46がシーン全体に新たな旋風を巻き起こせるか。(渡辺彰浩)