2017年03月27日 12:13 弁護士ドットコム
格安の海外ツアーの販売をおこなっていた旅行会社「てるみくらぶ」(東京・渋谷)が3月27日、資金繰りの悪化で営業の見通しが立たないため、破産手続きを申し立て、東京地裁から破産手続き開始の決定を受けた。同社の販売したツアーをめぐっては、航空券が発券できないといったトラブルが起きていた。
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てるみくらぶは同日、ホームページ上に、山田千賀子代表取締役の名前で、破産手続き開始に関する「お知らせ」を掲載した(http://www.tellmeclub.com/20170327_info.html)。また、パッケージツアーを購入した客や現在ツアーに参加中の客、キャンセル料の返金を受け取っていない客などを対象とした「Q&A」コーナーを設けて、旅行代金の返金などについて説明している。
それによると、同社の破産手続き開始によって、営業停止になるため、27日以降の出発予定のツアーについては、客から申し込まれていた企画旅行の内容(運送・宿泊等)の手配をおこなうことができなくなる。また、現在旅行中の客が滞在中に発生する送迎代金・宿泊代金などの費用について、同社は支払いが完了していないため、客が支払う必要があるという。
さらに、東京地裁から破産手続き開始の決定を受けたため、客に対する返金を実施できなくなる。そのため、同社は、一般社団法人日本旅行業協会の「弁済業務保証金制度」にもとづく手続きや、破産手続における取扱いをホームページ上で紹介している。
一般社団法人日本旅行業協会は3月27日、てるくらぶとの取引によって生じた債権を有する旅行客に対して、「弁済業務保証金制度」の案内をはじめた。旅行パンフレットや旅行申込書、請求書、メールのなどの関係書類を保管するようよびかけている。なお、同協会のてるみくらぶに対する弁済限度額は1億2000万円。
(弁護士ドットコムニュース)