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世界初、アニソン定額配信サービススタート! 鈴木みのり、諏訪ななか、三森すずこ、吉岡茉祐、駒形友梨が登壇

2017年03月24日 19:53  リアルサウンド

リアルサウンド

『ANiUTa』発表会の一幕。

 アニメソングを取り扱うレコード会社とその関連企業が集まり、新会社「株式会社アニュータ」を設立。本日3月24日より、アニソン定額配信サービス『ANiUTa』をスタートした。


 「株式会社アニュータ」は、代表取締役社長を株式会社フライングドッグの佐々木史朗氏が務め、株式会社フライングドッグ、エイベックス・ピクチャーズ株式会社、株式会社KADOKAWA、サンライズ音楽出版株式会社、東映アニメーション音楽出版株式会社、東宝株式会社、株式会社フロンティアワークス、株式会社ポニーキャニオン、株式会社マーベラス、株式会社ランティスが参画。この日は報道陣向けの発表会にあわせ、『FRESH! by AbemaTV』と『ニコニコ生放送』でもイベントの中継が行なわれた。


 冒頭、司会進行を務めるニッポン放送の吉田尚記氏がサービスの概要を説明。スマートフォン向けアプリ『ANiUTa』では、約5万曲のアニメ・特撮ソング、ゲーム楽曲、ボーカロイド楽曲(うち約2万曲はサブスクリプション初解禁)などを配信する。イベント序盤では、同アプリのタイトルボイスを担当した坂本真綾から「『ANiUTa』サービス開始おめでとうございます。デビュー作の『約束はいらない』がリリースされた1996年には、音楽をCDなどのパッケージでファンのみなさんにお届けしていました。今では配信でさらに多くの方にさまざまな楽曲を楽しんでいただけるなんて、驚くとともに素敵なことだと感じています。この度は第一弾サウンドロゴの音声を担当させていただき光栄です」とコメントが寄せられた。


 その後、鈴木みのり(ワルキューレ)、諏訪ななか(Aqours)、三森すずこ、吉岡茉祐(Wake Up, Girls!)、駒形友梨が登壇し、トークがスタート。吉田が「今まで聴かなかった曲との出会いも増えそうですよね。『ANiUTa』をこういう風に使ってみたいというのはありますか?」と質問すると、鈴木は「いいアニソンを探すときに、一つ一つのアニメから探していたんですけど、『ANiUTa』なら一つにまとまっているので探しやすくなるし、試聴もしやすくて。いままでよりたくさんアニソンに触れられる」と、サービスの目玉機能である『作品検索』について説明すると、諏訪は「今まではCDでしか手に入れられなかったので、『ANiUTa』だとアニソンの新曲がすぐに配信で聴けるのがいいですね」とコメントした。


 また、三森は「レギュラーのラジオ番組で、ゲストの方の楽曲を下調べで聴くときに検索して購入もしていたけど、それが簡単になりますね。ライブで自分以外の楽曲をコラボで歌うこともあるんですけど、『ANiUTa』は場合によって歌詞も出るんですよ。曲を聴きながらタブレットで歌詞を確認できるのは便利だなと思いました」と、仕事面でも活かせる機能が充実していることを紹介。吉岡は「共演する方の予習復習ができるのは魅力的だし、アニソンだけじゃなくて特撮やボカロ、2.5次元系があるので、便利だなと思いました。アプリもサクサク動くし」と操作性を評価すると、駒形は「携帯の容量がパンパンになってきているんですけど、これだと容量を気にしなくていいし、よくカラオケにも行くのでこれでレパートリーがさらに増えそう」とストリーミングサービスならではの利点を明かした。


 続けて、三森による実機を使ったデモンストレーションが行なわれた。三森は「三森すずこ」で検索し、「ソロからキャラソン、CVのものまである!」と驚くと、吉田は「作っている中の人もアニメが好きな“ガチの人”なので、タグ付けにも愛情を感じますね」と補足した。


 イベント中盤では、5人が作ったオリジナルのアニソンプレイリストを公開(詳細はこちら)。鈴木は「いろんなレコード会社さんの作品が入っているので、そこを意識しました。鈴木のおすすめアニソンプレイリストを作るというか、流れとして聴いてもらえたら嬉しいです。あとは心に残っているものを選んでいて、一番気に入っているのは『かみちゃまかりん』のオープニングだった『暗黒天国』(ALI PROJECT)」と紹介すると、諏訪は「私は他のサービスにはあまり入っていないキャラソンをたくさん選びました。1曲目の『HAPPY PARTY TRAIN』(Aqours)が私の演じる松浦果南ちゃんのセンター曲で、4月8日から配信されるので聴いてほしいです」と告知した。


 続けて三森は「学生時代はダンス漬けでアニメから離れていて、声優になってからアニメを見るようになったので、そこから一緒に歩んできた曲たちが入っています」と語ると、吉岡は「主に声優になってから関わらせていただいた曲から半分を、そして中高時代にバイブルだったアニソンたちを入れさせていただきました。『もってけ! セーラーふく』は自分も学生時代セーラー服を着て踊っていた曲」と明かし、駒形は「坂本真綾さんが本当に大好きなんですけど、少しだけ他の曲も入れました。あとは『プリキュア』の曲もたくさんはいっていて、2曲目の『Miracle Go! プリンセスプリキュア』はオーディションで歌って合格した曲です」と印象的なエピソードを語った。これに対し、吉田は「オーディションのときにみんなが歌った曲プレイリストも作れますよね。あと、想像力の高いアニメファンの方が作ったプレイリストも人気が出るのかも」と応用的な使い方を示した。前半最後は鈴木が「いちオタクとして、今まで聴いていたアニソンやボカロ楽曲などを聴けるのが嬉しいです。これからも一緒に楽曲を楽しみましょう!」とコメントし、5人の出番が終了した。


 後半は、株式会社アニュータ・株式会社フライングドッグ代表取締役社長の佐々木史朗氏をはじめ、参画会社のトップたちが登壇。佐々木氏は会社を代表して「この度僭越ながら株式会社アニュータの代表を務めさせていただくことになりました。『ANiUTa』はジャンル限定のサブスクリプションサービスです。従来のサブスクサービスが全国チェーンの大型ショップだとすれば、『ANiUTa』は専門店で、その品揃えや専門性、そして愛が売りになる、可能性のあるサービスと信じております。今風の言葉で言うと、『お客様はみんな僕たちと同じアニソンのフレンズなんだね!』という感じです(照)」と茶目っ気たっぷりにプレゼンテーションした。


 続けて佐々木氏は「ここまでやってこれたのはアニメとアニソンのおかげだと思いますし、だからこそ、何かお返しができたらとここ数年考えておりました。この『ANiUTa』が、いま現場で必死にアニソンを作っている世代に残せるサービスになればいいなと思っております」とコメント。ここでサービスの新たな特徴が発表され、会員限定で『Original Entertainment Paradise -おれパラ- 10th Anniversary ~ORE!!SUMMER~』や『Pile Birthday Party !!! 2017』のチケット先行販売が行なわれること、4月以降も楠田亜衣奈や渡部優衣のライブについて同じくチケット先行配信が行なわれることを告知。さらに、サブスクリプションでは『ANiUTa』のみでの提供となる「プレミアム楽曲」として、ALI PROJECTの25周年記念シングル曲「卑弥呼外伝」や影山ヒロノブの「Beginning」、GRANRODEOの「Glorious days」などが配信されることが明らかになった。


 そして、今回の発表にあわせ、『ANiUTa』のライブイベントもスタート。5月13日に代々木第一体育館で『アニュータライブ2017「あにゅパ!!」』が行なわれること、同イベントにAqours、ALI PROJECT、Wake Up, Girls!)、May’nの出演が決定した。チケットは4月1日より、会員限定で先行販売がスタートする。


 ここで吉田氏から、佐々木氏へ「立ち上げの経緯」についての質問が寄せられると、佐々木氏は「ランティスの井上さんなどとは、メーカーを横断して何かをやりたいとずっと言っていて、それがサブスクサービスとして結実した形です」とコメント。アプリの強みとして「ひとつは作品検索。アニメ作品で検索できるようにこだわりましたし、このサービスを通じてもっとアニソンが好きになってもらいたい。例えば『マクロスΔ』から『マクロスF』を聴いてもらって、中島愛からMay’nまで辿ってもらうなど、芋づる式になればいいですね」と語った。


 また、海外展開については「アニソンは世界で通用するものですので、これを世界に広めていきたいと言う思いは強い。国外でも使える態勢は整えていきたい。半年弱はシステムを作るための期間や権利の問題があるのですが、どんどん配信していきたいです。そこから最終的には『ANiUTa』発のワールドツアーができればいいなと思います」と野望を語ると、記者から「アーティストに還元されないという心配もあるのでは?」という質問が。これに対し、佐々木氏は「世界的にはサブスクリプションメインになっているし、僕らはCDを売る会社ですけど、その部分は承知しています。ライブは見るしグッズも買う方がいて、僕らが怖いのはアニメやアニソン好きの人口が減ることなので、このサービスを通じてその人口を増やしたいと思います。あと、通常のサブスクは3000万曲などが収録されているのですが、『ANiUTa』はアニソン系のみ5万曲です。配分率は会員数によりますが、普通のサブスクサービスよりは高い可能性があります」と明かし、イベントは終了した。


 ほかにも、エイベックス・ピクチャーズ株式会社代表取締役の勝股英夫氏、株式会社KADOKAWA代表取締役の井上伸一郎氏、サンライズ音楽出版株式会社の代表取締役である指田英司氏、東映アニメーション音楽出版株式会社取締役の島谷浩作氏、東宝株式会社取締役の大田圭二氏、株式会社フロンティアワークス代表取締役社長の及川武氏、株式会社ポニーキャニオン代表取締役社長の吉村隆氏、株式会社マーベラス常務取締役の松本慶明氏、株式会社ランティス代表取締役社長の井上俊次氏がサービスについてコメントし、アニソン愛を語った同発表会。アニソン界に大きな変革をもたらしそうな『ANiUTa』は、今後サービスがどこまで広がるのか注目だ。(中村拓海)