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豪州SC:ニッサンがGen2規定マシン開発を示唆。GT-Rを投入か?

2017年03月24日 18:11  AUTOSPORT web

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週末はアルバート・パークでF1併催イベントとなるVASC
今週末にオーストラリアで開幕するF1の併催イベントとして、ノン・チャンピオンシップ戦が開催されているVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカー・シリーズ。戦いの舞台となるアルバート・パークのパドックで、ニッサン・アルティマを投入する豪州ニッサンのCEO、リチャード・エムレイが「今季半ばまでに18年以降の“Gen2規定”の新型車開発計画の方向性を発表したい」と明かした。

 豪州ニッサンは昨年9月にケリー兄弟の所有するチームと新たに2年契約を結び、2013年以来ともに戦ってきたシリーズへの参戦計画を延長。そして2017年以降を見据え、アルティマ本体とV8エンジンに代わりGen2規定のパッケージを模索するため、ニスモと協力関係を深めることを発表していた。

「我々はGen2戦略の方向性を今年の中頃には確定したいと考えている。そのプロセスの一部として、マイケル(・カルカモ/ニッサン・グローバルモータースポーツ・ディレクター)をVASCの1戦に招待することを考えている」とエムレイ。

 議論の中心は、これまで使用してきたVK56ベースのV8エンジンを、新規定に則りV6ターボにダウンサイズするか、そして最大の注目点としてベース車をアルティマから変更するかどうか、だとみられている。

 もしベース車を変更すると決断した場合、新たにV6ターボを搭載する最適な車種として、同社のフラッグシップスポーツカーである『GT-R』の投入もあり得ると、エムレイ。

「エンジンプログラムに関して、まだ真剣な開発作業は行われていないが、ケリー・レーシングとニスモの間で情報交換は行われている」

「我々は(GT-Rの)GT3エンジンという良いベースを持っているし、ゼロスタートではない。2018年までに十分な時間があるかどうかはわからないが、長期的な視野で決断を下す必要があるだろう」

■「4ドアから2ドアへ移行するメリットを考える必要」

 Gen2規定ではV6ターボが解禁されることもあり、すでにGMは北米のR&D拠点で新型ホールデン・コモドアに搭載する新エンジンの開発テストをスタート。また、既存のマニュファクチャラー以外にも、クーペボディ解禁に合わせて参入を模索する動きがあるという。

 エムレイも、GT-Rのボディを現在のスーパーカー用パイプフレームに適合させるのは難しくないとコメント。その技術的フィッティング以前に、本当に「2ドアボディを採用するかどうか」の真剣な検討が必要だと述べた。

「これは他のブランドも同様だが、4ドアのサルーンカーから2ドアクーペに変更することで、どのようなメリットが得られるかは、真剣に考える必要がある」

「我々はまだGT-Rがオプションだという立場にはなく、あのクルマはGTカーであることがふさわしい。現時点ではVASCでは伝統的なセダンスタイルにこだわりたいし、ニスモにもそうであって欲しいと思っている」

 現行のL33型アルティマは、市販モデルのデビューに先駆けてシリーズに投入されており、市場の販売戦略に大きな貢献を果たしたとされる。そうした先例も踏まえつつ、ニッサンは2019年には新たなマシン・ホモロゲーションの取得を予定している。

 また、現在シリーズに投入する4台のアルティマのうち、今季からニッサン・モータースポーツに加入したルーキーのシモーナ・デ・シルベストロは、開幕戦『クリップサル500』で遭遇した、ジェームス・コートニーとの“追突事件”の裁定に対して、お咎めなしとなった見解に「よく理解できない」と抗議。

 このアルバート・パークの週末にシリーズのスポーティング部門と話し合いを持つ予定となっている。