昨年までウイリアムズのレースチームの一員としてボッタス車担当のナンバー2メカニックを務めていた白幡勝広。しかし、F1開幕戦のウイリアムズのガレージに彼の姿は見当たらなかった。
そこで、今年ランス・ストロール車担当のメカニックに白幡メカニックのことを尋ねてみると、「カッツ(白幡メカの愛称)はもうメカニックじゃないんだ。でも、メルボルンに来ているよ」という。メカニックではなくなった白幡メカニックは、いったいどんな役割でメルボルンに来ているというのか?
「今年からカッツはパーツマンとして、ガレージの裏でさまざまなパーツの管理を行っているんだよ」
F1グランプリのピットは、2台のマシンが並んでいるガレージ部分以外にもガレージの隣や裏に多くのスペースがあり、そこにマシンのパーツやパワーユニット、ギヤボックス、タイヤなどが保管されている。
特にマシンのパーツはサーキットに合わせて最適にセットアップするための予備パーツだけでなく、金曜日のフリー走行1回目に開発のデータ取りを行なうためのテストパーツも大量に運び込まれており、その管理を行なう白幡メカニックのポジションは、ウイリアムズにとって非常に重要ともいえる。
前出のストロール車担当のメカニックによれば、白幡メカニックの仕事はパーツマンだけではないという。
「じつは、彼は今年もピットクルーの一員なんだ。担当は昨年後半と同様、右リヤタイヤの装着係だよ」
今年からタイヤが太くなり、重量が増したため、タイヤ交換を行なうメカニックは冬の間にいつも以上にトレーニングを積んでいたという。バルセロナのテストでピットストップ練習を行っていた白幡メカニックに、その件を尋ねると「もう慣れました。(昨年に比べて)重いという感覚はないですね」と語っていた。
白幡メカニックが所属するウイリアムズは、現時点でフォース・インディア、ハース、ルノー、トロロッソとともに入賞争いを繰り広げるだろうと予想されている。
この第2集団は力関係が接近しているので、レースではピットストップ作業が勝敗を大きく分ける可能性が高い
今年からはパーツマンとして、新しいシーズンをスタートさせ白幡メカニックだが、チームからの期待はいままで以上に大きくなっている。