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ホンダF1が懸念するバイブレーション問題の現状「エンジン側の対策は講じたが、再発しないとは断言できない」

2017年03月24日 08:51  AUTOSPORT web

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2017年第2回F1合同テスト3日目 ストフェル・バンドーン(マクラーレン・ホンダ)
ホンダF1プロジェクト総責任者である長谷川祐介氏が、プレシーズンテストで発生した数々のトラブルについて説明、対策は講じたと語った。しかし開幕戦オーストラリアGPで実際に走行してみた時に再発しないという確信は持てないという。

 8日間のテスト期間中、マクラーレン・ホンダは繰り返しトラブルに見舞われた。そのため合計周回数は全10チーム中最下位、タイムも22人中、ストフェル・バンドーンが17位、フェルナンド・アロンソが18位にとどまり、トップタイムとの差は2.7秒におよんだ。

 長谷川総責任者は、開幕戦を前に信頼性の問題の大部分は解決したと考えているが、実際にコースで走ってみるまでは確信が持てないと語った。

「(テスト)2週目の後半2日間、マシンのバイブレーションによってトラブルが起こりました」と長谷川総責任者は、木曜、メルボルンで語った。

「大部分のバイブレーションを起こしていたのはエンジンですが、エンジン自体の問題だけではありませんでした」

「このトラブルによってマシンサイドのカーボンパイプにクラックが生じ、ハーネスに接触不良が起きました」

「この問題はエンジンのバイブレーションが止まれば再発しないのかどうか、それは分かりません。心配しています」

「(バルセロナでは)マシンは縁石を乗り越えていたので、それがいくらかバイブレーションを引き起こしたというのも確かです」

「マシンサイドにそういう弱点があるのであれば、それは気がかりです」

 長谷川総責任者によると、エンジンマッピングの変更によってバイブレーションの問題の改善を図り、ベンチ上では進歩を確認できたということだが、実際に問題が解決したのかどうかは、マシンをコース上で走らせてみるまでは確信が持てないという。

「ドライバビリティは改善していると思います」と長谷川総責任者。

「さくら(の本田技術研究所)でベンチテストを行いました。ただ、エンジンを実際にコース上で動かしたわけではないので、今日の時点では状況は分かりません」

 一方、長谷川総責任者は、バイブレーション以外の問題は解決したと確信している。

「スペインのテストで、最初の週の初日にはオイルタンクに、2日目にはエンジン本体にトラブルが発生しました。どういう種類のトラブルなのかを公表するつもりはありませんが、対策を講じたのは確かです」

 オイルタンクの問題については、長谷川総責任者はこう語っている。
「デザインの問題でした。イン側にバッフルプレートがあり、それがきちんとオイルを吸うことができなかったようです。要するに形状が悪かったということです」
「それは変更しました。非常に基礎的な問題でした」

 アロンソは、パワーユニットの信頼性の低さよりもパワーが足りないことに不満を抱いているが、長谷川総責任者は今季エンジンは、ホンダの目標にはまだ達していないにしても、パワーの面で改善はしていると語った。

「私たちが独自に設定した目標値にはまだ達していません。具体的な数値は明かせませんが」と長谷川総責任者。

「パワーは去年のアブダビのものより向上しています。ただドラッグが増えていますし、タイヤが太くなっており、ドライバーとしてはスピードが落ちたと感じるのかもしれません」