2017年03月23日 23:13 弁護士ドットコム
国有地売却問題に揺れる学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長は3月23日夕方、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見を開いた。
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この日の籠池理事長は参院予算委員会での証人喚問に出席。長時間の尋問のあとにもかかわらず、疲れた様子を見せなかった。籠池理事長は記者会見で、問題になっている学校用地の売却について、安倍晋三首相の直接的な口利きはなかっただろうとしつつ、財務省の官僚が、安倍首相や昭恵夫人の「心を忖度した」のではないかと述べた。
一方で、不正な価格で売却された疑惑については、「7~8億円を安くしてもらったと言う感覚はない。(土中のゴミ処理に)費用としては同じくらいの金額がかかると思っている」と、潔白を強調。「国有地は財務省に戻る。一番バカを見たのが学園。何も残らないで、マイナスだけが残った」「なんでハシゴを叩きつぶすのか。安倍首相に近い維新の会あたりが動いたのではないか」と恨み節も炸裂した。
籠池理事長は、安倍昭恵夫人を経由して、安倍晋三首相から100万円の寄付があったと主張。一方、首相夫妻は否定している。籠池理事長は、「嘘はいけない」と述べ、寄付をもらったことは、すぐに職員に共有したとして、自身の正当性をアピールした。
会見では海外メディアの記者を中心に、国有地問題以外にも保守的な教育方針に疑問を呈する質問が飛んだが、籠池理事長は「普通に愛国心を持つ教育が重要」と独自の教育観を披露した。
子どもたちに、教育勅語を教えていることについて籠池理事長は、「天皇陛下と教育勅語の関係はあまりない」とし、「教育勅語は道徳律。明治天皇陛下がお作りあそばされたが、今はすでに道徳律になっている。マスコミが言うような軍国主義に結びつくものではないと確信している」と述べた。
また、子どもたちに中国や韓国などに対する憎悪感情を植えつけているのではないかとの意見に対しては、「PTAの会長さんは在日の方がされていた。決してヘイトなんかするわけがない」と反論。
「大阪はいろんな人が混じり合っている雑多な街。そこで教育することが大事。ただ、日本に住んでいるのなら、日本の文化に沿って、日本の心を学んでいってほしいと思うことは当たり前ではないだろうか」
そのうえで籠池理事長は、「気に入らないのであれば、初めから入って来ないのでは」「(方針が合わなかったという人は)何か『こと』を起こすために入って来たのだと思う」と述べ、小さな笑みを浮かべた。
会見にはエコノミストやニューヨーク・タイムズ、香港やイタリアのメディアなど、複数の海外メディアも出席した。
(弁護士ドットコムニュース)