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ポルシェ 2017年WSCC第2戦セブリング12時間 レースレポート

2017年03月23日 18:51  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

ポルシェ911 RSR 911号車
2017年3月23日
ポルシェ・ジャパンプレスリリース

IMSAウェザーテックスポーツカー選手権第2戦:
セブリング12時間レース、米国
素晴しい戦略、最速のレースラップ、そして様々な不運
 ドイツ.ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト社長:オリバー・ブルーメ)のポルシェ911 RSRは、IMSAウェザーテックスポーツカー選手権第2戦のセブリング12時間レースにおいて、ゴール直前までは巧みなレース戦略とドライバーの見事なパフォーマンスで快走し、初勝利は手の届くところにありました。

 しかし、510PSの911号車を駆るパトリック・ピレは、首位を目前にしながらタイヤトラブルとドライブスルーペナルティのため快進撃に終止符を打たれます。

 パトリック・ピレ(フランス)/ディルク・ヴェルナー(ドイツ)/フレデリック・マコヴィッキ(フランス)組は、フロリダ州の中心部にある元飛行場の伝説的サーキット、セブリング・インターナショナル・レースウェイを334周した後、GTLMクラス7位という結果になりました。

 もう1台の911 RSRのステアリングを握るケヴィン・エストル(フランス)/ローレンス・ヴァンスール(ベルギー)/リヒャルト・リーツ(オーストリア)組は8位でした。

 25℃を超える夏の気温のなかでスタートした第65回セブリング12時間レースは、手強いライバルたちがひしめくGTLMクラスのスタートからゴールまでドラマに満ちたレースがファンを魅了しました。

 最終のピットストップ直前まで接戦が続き、夕方の涼しい時間にベストの状態になるように911号車をセットアップしたポルシェの戦略は鮮やかな展開をみせます。

 ところがタイヤ交換中のインパクトレンチの故障により、ピットストップの時間が予定を超えてパトリック・ピレは2位から5位まで後退します。

 チームメイトとともにデイトナ24時間レースで2位入賞を飾ってシーズンを開始したピレは諦めませんでした。驚異的なオーバーテイクと最速のレースラップによって瞬く間に2位に返り咲いて先頭に迫ります。

 しかし、渾身のファイナルチャージはゴールの33分前に突如として終わりを告げます。タイヤのトラブルで予定外のピットストップを余儀なくされて左フロントタイヤを交換しました。

 さらにその後の加速中にインパクトレンチのホースの上を走行したことにより、ドライブスルーペナルティを課せられ、シーズン2度目の表彰台の希望は潰えました。

 GTDクラスにエントリーしたポルシェ911 GT3 Rの最高成績は6位でした。500PSの911 GT3 Rは、世界中で開催されるGT3シリーズのために市販車の911 GT3 RSをベースに設計されたカスタマー向けレーシングカーです。

 パーク・プレイス・モータースポーツから出場したワークスドライバーのイェルク・ベルクマイスター(ドイツ)とチームメイトのミカエル・クリステンセン(デンマーク)は10位でした。

 クリステンセンは、アレグラ・モータースポーツとともにデイトナ24時間でクラス優勝を飾っています。

IMSAウェザーテックスポーツカー選手権第3戦は、4月8日にカリフォルニア州ロングビーチの市街地コースで開催されます。

レース後のコメント
Dr.フランク・シュテファン・バリサー ポルシェ・モータースポーツ責任者:
「非常にドラマチックなレース展開となりました。ゴールの33分前までは全てが順調でした。しかし、コルベットと激しく首位を争っているときに左フロントタイヤのスローパンクチャーが発生しました」

「ピットストップでのタイヤ交換を余儀なくされ、優勝の可能性は消えました。912号車も非常に順調に走っていましたが、ダンパーのオイル漏れによる予定外のピットストップで3周を失い、優勝のチャンスを逃しました」

パトリック・ピレ(911 RSR #911):
「レース終盤に車はピークを迎える計画でした。日中の暑さのなかの走行は容易でなくても、いったん涼しくなればサーキットでは最速の予定でした」

「チームの働きは見事で戦略は完璧でした。最終のピットストップの後には優勝の大きなチャンスがありましたがタイヤのトラブルが発生したのです。これはピットクルーのミスではありません。運が悪かっただけです」

ディルク・ベルナー(911 RSR #911):
「車の調子は非常に良くて優勝も狙える状態でした。パトリックが非常に良いポジションで走っていたときにパンクに見舞われました。このようなかたちで優勝を逃すのはつらいことです」

「しかし、すばらしい週末を過ごし、すばらしいレースに出場することができました。チームの活躍は見事で、ニューマシンの初優勝まであと一歩でした」

フレデリック・マコウィッキ(911 RSR #911):
「本当に残念です。チームの仕事は最高で戦略も適切でした。涼しくなったレース後半は予定どおりに調子も上がり完璧でした。パトリックのパンクによって優勝を逃したのは、単にツキがなかったのだと思います」

ケビン・エストル(911 RSR #912):
「残念なレースでした。僕達の車は先頭集団のペースで走りました。涼しくなった後半のサーキットは有利に働きましたが、残念ながらトラブルで3周を失いました。1周は取り戻すことができましたがそれ以上は無理でした」

ローレンス・バンスール(911 RSR #912):
「非常に良いペースでした。残念ながらダンパーのオイル漏れによって3周を失いました。コーションフェーズがほとんどなかったので終盤の巻き返しはかないませんでした」

リヒャルト・リーツ(911 RSR #912):
「予想どおりセブリングは過酷でした。すばらしい車のおかげでチームメイトとともにこのサーキットを楽しむことができました。全力を尽くしましたが、残念ながら左リアダンパーにトラブルが発生しました」

「このコンディションでは仕方ないのかもしれません。ここで十分なテストを行ない準備は万端でしたが、残念ながら結果にはつながりませんでした」