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F1トリックサスペンション問題:メルセデスとレッドブル、完全合法でないとの通達を受けデザインを変更

2017年03月23日 18:11  AUTOSPORT web

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【関連写真】2017年F1合同テスト ルイス・ハミルトン(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)
違法なトリックサスペンションの存在によって2017年開幕戦が混乱に陥らないよう、FIAはプレシーズンテストで全チームに関して検査を行い、その結果、レッドブルとメルセデスに対してデザインを変更するよう求めたことが明らかになった。

 2016年末にフェラーリが、空力性能の向上を目的としたサスペンションデザインの合法性に関してFIAに問い合わせを行った。これを受けてFIAは、プレシーズンテストに先立ち、規則を明確化する技術指令書を各チームに送付した。

 フェラーリは、質問状を出したのは自身がそういうコンセプトの導入を検討しているからであると述べているが、真意はレッドブルとメルセデスがクレバーなシステムを使用することへの妨害であると広く考えられている。

 FIAは、故意に空力パフォーマンスの向上を図るように設計されたサスペンションシステムは違法であるとの考えを示した後、合同テスト期間中に全チームのサスペンションを検査した。

 その結果、メルセデスとレッドブルが使用しようとしていたコンセプトは規則に完全に従っているものではないと判断され、この2チームはシステムを変更しなければならなくなった。


 FIAレースディレクターのチャーリー・ホワイティングは、オーストラリアGP木曜のメディア会見において、次のように語った。
「偶発的な形でなく、サスペンションシステムがマシンの空力パフォーマンスに影響することは許されない」
「我々は、サスペンションが一般的なサスペンションなのか、主にマシンの空力パフォーマンスのためのものなのかを確認したかった」
「今年はそこに関して今まで以上に突き詰めてきた」
「我々を納得させることができなければ、チームはそれを使うことはできない」

 FIAの判断によってレッドブルとメルセデスがどの程度の影響を受けるのかは不明だ。しかしメルセデスは去年、そのトリックシステムを毎戦使っていたわけではないと考えられており、そうであればパフォーマンスに重大な影響はなかったということになる。

 レッドブルとメルセデスは開幕戦の週末を前に、FIAから変更を行うよう要求されたということだ。これによってこの問題がこれ以上長引かないことをホワイティングは期待している。

「FIAの技術代表のメンバーたちがバルセロナですべてのシステムをチェックした。(オーストラリアで)検査したものについては、今のところ我々が予想していた状態だった。何の問題も発生しないと思う」とホワイティング。

 木曜に全10チームのサスペンションがチェックされ、違法なものはない状態で金曜のフリープラクティスを迎えられるものと考えられている。


 ホワイティングは、メルセデスが使用しているという疑いが出ている、エンジンオイルを燃料として燃焼させることで予選パフォーマンスを向上させるという手法についても、オーストラリアGPの週末に検査を行うつもりであると明かした。これについてはレッドブルがFIAに対して問い合わせを行ったが、メルセデスはそういうシステムを使っていることを否定している。

「これについては監視している。バルセロナ(テスト)で多くの作業を行った」とホワイティング。

「ここで全チームのオイルシステムを検査するつもりだ。ランダムにオイル消費についてチェックし、燃料として使われていないことを確認する」