2017年シーズン開幕に向け、BTCCイギリス・ツーリングカー選手権の公式テストとなる“メディアデイ”がドニントンパークで開催され、新型にアップデートされたばかりのトヨタ・アベンシス、トム・イングラムが最速タイムをマーク。2番手にも旧型を走らせるロブ・オースティンが続き、アベンシスがワン・ツーを記録した。
長い伝統を誇るBTCCの歴史中でもっとも台数を集める17年シーズンは、16人の勝利経験者を含む32台がグリッドに並ぶ予定となっており、シーズン・ラウンチが開催された公式テストの場からも、すでに史上最大の激戦を予感させる状況となっている。
今季からスピードワークス・モータースポーツが投入する新型アベンシスは、唯一の公式オフテストとなる4時間のセッションで、つねに好調なタイムを維持。
序盤から最速タイムをマークすると、開始1時間の時点でただひとり1分10秒台の壁を破り、1分09秒995のラップを記録。このタイムが最終的にテスト最速ラップとなった。
このタイムは昨年の公式テストの最速タイムをコンマ1秒更新するレコードともなっている。
ここまでBTCCで2勝を挙げている23歳のイングラムは、「レコードであることには満足しているよ」と笑顔を見せた。
「オフの間に行ったアップデートを、すべての領域で検証する必要があったし、作業量は膨大だった」
「でも僕らは本当にいいバランスを見つけ出せたし、レースディスタンスのロングランも、予選シミュレーションもこなすことができた。両方とも素晴らしい成果だったよ」
そのイングラムからわずか10分の1秒差で2番手となったのは、同じくトヨタ・アベンシスのロブ・オースティン。ハンディ・モータースポーツはいまだ旧型モデルながら「最初は中古タイヤで出て行ったけど、それでも10番手だった。指針としては悪くないね」と、手応えを語ったオースティン。
3番手にはBTCC復帰となるクリス・スマイリーのシボレー・クルーズが入り、チームBTCノーリンのチームメイトであるデイブ・ニューシャムも9番手を記録するなど、2台揃って好調を維持した。
今季からMACツールズ・カラーとなったメルセデスベンツ・Aクラスのアダム・モーガンと、同じくAクラスのレーザー・ツールズ・レーシング、エイデン・モファット、そしてホンダ・シビック・タイプRのユーロテック・レーシングが続いた後、8番手に入ったのは今季からワークス活動を“再開”したボクスホール・アストラのトム・チルトン。
パワー・マックス・レーシングと共同製作したファクトリーマシンの新型アストラは、初の公式セッションにも関わらず、大成功といえるパフォーマンスを披露。すでに一定以上の競争力を備えていることを証明してみせた。
以降、10番手にはこちらも17年型モデルとなり、2台体制に拡大したAmDチューニング.comのアウディ・S3セダンが入り、トップから18番手までがわずか1秒以内にひしめくという僅差のコンペティションを予感させる結果となった。
2017年のダンロップMSAブリティッシュ・ツーリングカー選手権の開幕戦、ブランズハッチは4月1~2日に開催される。