長時間の残業を強いられているのは、どういった業種・職種で働く人たちなのだろうか。エンジニア向けのウェブマガジン「fabcross for エンジニア」は、20~59歳の公務員・会社員1万145人を対象に残業に関するアンケート調査実施。3月22日に結果を発表した。
残業が少ないのは「事務職」「総務・人事・経理」と「医療・福祉・介護関連職」
それによると、業種別では「教育、学習支援業」が1か月あたりの平均残業時間が最も長く29.5時間だった。次いで「漁業」が28.6時間、「複合サービス事業」が23.8時間だった。
逆に、1か月あたりの平均残業時間が短かったのは「医療、福祉」(12.6時間)、「鉱業、採石業、砂利採取業」(13時間)「公務」(15.3時間)で、意外にも「医療、福祉」が最も残業が少ないということが明らかになった。
一方、職種別に平均残業時間を比べると、やはり「教育・保育関連職」(32.0時間)が最も多く、「農林水産関連職」(29.7時間)、「経営者・会社役員」(28.7時間)が続いた。「教育・保育関連職」の人々が「経営者・会社役員」よりも忙しいという結果だ。反対に、平均残業時間が短いのは「事務職」(11.4時間)、「医療・福祉・介護関連職」(12.2時間)、「総務・人事・経理」(16.1時間)などの仕事だった。
人口知能で残業削減が期待できるが「閃きが必要な商品開発」は代替が困難
近年、人口知能(AI)への注目が高まりつつあるが、AIが進化することで残業時間が削減されることはあるのだろうか。製造業エンジニアに尋ねてみたところ「1~2割程度は減る」(21.5%)という人が最も多かった。
AIが進化することでどのような負担が減るのかという質問に対しては、「資料の仕分けや打ち込み作業」「単純な作業や画像処理」など簡単な作業ならAIで代替できるという回答が寄せられた。「人が品質チェックをする工程や製造ライン内での無人化」など工場における製造工程を改善できるという意見もあった。
ただし「閃きが必要な商品開発」や「想像力が必要な開発設計業務」など、クリエイティビティが必要な業務はAIに任せるのが難しそうだ。他にも「顧客の要望を仕様に落とし込む作業」など人との関りが必要な仕事は人間が行う必要がある。