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アート・音楽・食の総合フェスが石巻市で本格始動「ap bank fes」の開催も

2017年03月23日 13:24  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

(左から)目黒浩敬、小林武史、亀山紘市長、中沢新一、和多利恵津子、増田セバスチャン、鈴木康弘
石巻と牡鹿半島を中心にした現代アート・音楽・食の総合祭「リボーンアートフェスティバル 2017(Reborn-Art Festival 2017)」(以下、RAF)が、7月22日から9日10日まで開催される。期間中は、小林武史らが率いるAPバンクによる「ap bank fes」を同時に展開。51日間にわたって地域の魅力を発信し、地方創生に加えて未来を形づくるきっかけとなることを目指す。

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 「RAF」は東日本大震災で被災した石巻と牡鹿半島で、様々なジャンルのアーティストとともに地域の魅力を再発見し、広く発信することで活性化させることを目的に企画。村井嘉浩 宮城県知事が名誉実行委員長、亀山紘 石巻市長と小林武史が実行委員長を務めるほか、制作委員としてワタリウム美術館の和多利恵津子館長や映画監督の岩井俊二、思想家・人類学者の中沢新一が参加する。昨年にはプレイベントが開催され、今年が本格始動となる。
 メインの舞台となるのは、石巻エリア、牡鹿半島の中心部である荻浜エリア、金華山が覗ける鮎川エリアの3カ所。アートは「自然との対話」「現代の社会問題」「追悼で元気づける」をテーマに掲げ、フランス人アーティストのジェイ・アール(JR)や、アーティストグループのチン↑ポム(Chim↑Pom)、宮島達男、アメリカ人のデイヴィット・ハモンズ、金氏徹平、鈴木康弘、増田セバスチャンら36組が参加する。展示スペースはすべて閉館しているため8割が屋外展示となるが、自然豊かな環境や被災の傷跡が残る場所を活かしたRAFならではの作品展示を行う。屋内展示では、1930年に石巻で最初の百貨店として建てられた「観慶丸」を活用し、19世紀の思想家ルドルフ・シュタイナーの黒板絵のドローイングを公開。シュタイナーの影響を受けた作家として、ドイツ人のヨーゼフ・ボイスやカールステン・ニコライ、名和晃平らはそれぞれの手法で「自然との対話」を表現する。
 会場にはRAFのコンセプト「生きる術」を体現する場として「牡鹿ビレッジ」を荻浜に今夏オープンし、地元の主婦による食堂「浜キッチン(仮)」や、シェフの料理をアートと楽しむ「浜のレストラン(仮)」など様々な施設を準備。「浜のレストラン」には「アル フィオーレ (AL FIORE)」のシェフでフードディレクターを務める目黒浩敬をはじめ、20人以上の人気シェフが参加を予定している。「牡鹿ビレッジ」のほか、会員制宿泊施設「桃裏ビレッジ」や、ボランティアスタッフ「こじか隊」やスタッフ、アーティストなどの宿泊施設や活動拠点となる「リボーンアート・ハウス(Reborn-Art House)」、有害獣駆除や一般狩猟により埋設や放置されることが多かった鹿を適切に処理し、資源としての価値を高めるための施設などを新たに開設する。
 「ap bank fes」は7月28日、29日、30日の3日間、国営みちのく杜の湖畔公園で開催。この3日間だけではなく、会期中は会場のどこかで音楽イベントを行うようにプログラムを展開し、大阪出身のアートユニット ヨタ(YOTTA)が手がける「ステージカー」を活用する計画だ。3月22日に開かれた発表会に出席した亀山市長は、RAFを「地方創生へのチャレンジな取り組み」と位置付け、「復興公営住宅に移った高齢者が孤立しないために、コミュニティの形成が必要。被災者の"心の復興"と、その先にある地方創生に大きな影響を及ぼすと期待している」とコメントしている。
■Reborn-Art Festival 2017日程:2017年7月22日(土)~9月10日(日)51日間会場:宮城県石巻市(牡鹿半島、市内中心部)提携会場:松島湾、女川町
公式サイト