神奈川のベッドタウンから東京・渋谷へと走る東急田園都市線。乗車率184%で「地獄の満員電車」と呼ばれ、東京の私鉄でワースト2位、メトロを含めても3位という混雑具合だ。
この状態を緩和するため東急電鉄は3月22日、田園都市線および大井町線の朝ラッシュ時の混雑緩和を目指して4つの施策を行うと発表した。
池尻大橋~渋谷間の定期を持っている人は無料バスも利用可能
1つ目は都心方面への輸送力増強。4月21日からオフピーク通勤・通学を推進するため、渋谷着5時台・6時台の急行列車を2本増発する。また現在大井町線では、急行停車駅のホーム延伸工事を進めており、2017年度下期から急行列車を現行の6両編成から7両編成にする。
混雑緩和のためにバスも利用しやすくする。現在、田園都市線の池尻大橋~渋谷間を含む電車定期券を持っている人を対象に「バスも!」キャンペーンを行っている。国道246号を運行する渋谷駅行きの東急バスに追加料金なしで乗車できるというものだ。国道沿いに勤めている人は、バスを利用することで職場のより近くで下車することができ利便性も向上するといい、4月以降もキャンペーンを継続して行う。
3つ目は働く場所を選べるようにする取り組みとして、同社が運営する会員制サテライトオフィスを、4月3日から朝時間帯の利用を無料にするキャンペーンを行う。契約企業を対象に、朝はシェアオフィスで働いた後、オフピーク通勤する勤務スタイルを推奨する。
また4つ目の取り組みとして、乗車時間を分散する「田園都市線 早起き応援キャンペーン」を実施する。オフピーク乗車した人に東急のポイント還元を増大して進めるほか、駐輪場でも新たなオフピーク施策を進めるという。
先月、小池百合子東京都知事がこの夏から「快適通勤ムーブメント」を展開すると発表した。企業に時差出勤や自宅で仕事ができるテレワークの導入などを呼びかけることで満員電車の混雑を緩和していくという。