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苦しむホンダF1にライバルは深く同情も「みくびってはいない」

2017年03月23日 08:41  AUTOSPORT web

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2017年第2回F1合同テスト3日目 ストフェル・バンドーン(マクラーレン・ホンダ)
ルノーF1のマネジングディレクター、シリル・アビテブールは、パワーユニットマニュファクチャラー間の競争において、今年ホンダに余裕で勝てるとは思っていないと語った。

 F1に復帰して3年目のシーズンを迎えるホンダだが、プレシーズンテスト中にいくつかトラブルが発生、マクラーレンのフェルナンド・アロンソはテスト中に「問題はひとつだけ。パワーユニットだ。信頼性がなくパワーもない」と酷評した。

 今年、マクラーレン・ホンダはこのままでは下位に沈むのではないかと予想されているが、アビテブールは、2014年のルノーの経験から、シーズン中に向上を果たせる余地は十分あるとして、ホンダの挽回の可能性を否定していない。

 現在のパワーユニット規則が導入された2014年、ルノーはプレシーズンテストで信頼性のトラブルが多発して苦労したものの、シーズン中にレッドブル・レーシングのダニエル・リカルドが3勝を挙げた。

「ホンダが今、経験していることに心から同情する。マクラーレンとの関係を含めてだ」とアビテブール。レースキャリアをルノーでスタートしたアビテブールは、一時ケータハムのチーム代表を務めたが、2014年シーズン半ばに離脱、その後、ルノーに復帰した。

「私自身が経験したことが思い出される。マクラーレンは動揺してはならない。そしてホンダは集中し続けていく必要がある」

「現状を乗り越えなければならない。彼らは金銭的リソースも、これを切り抜ける能力も持ち合わせている」

「率直に言って、ホンダの現状を見ても、私は全く安心してはいない」

 アビテブールは、ホンダが苦しんでいる原因のひとつは、マクラーレン1チームにしか供給していないことであると考えている。

「我々は、リスク分析として、起こる可能性のあるあらゆる問題を調査している。手に入るすべての情報に基づき、起こり得ることを見ているのだ」とアビテブール。ルノーは自身のワークスチームに加え、レッドブルとトロロッソにパワーユニットを供給している。

「3チームに供給していることは助けになる。もちろんロジスティクス面の負担は増える。3チーム分のパーツを管理しなければならないのだから」

「しかし(複数のチームに供給する方が)ホンダにとってはよかっただろうと私は思う。他にもカスタマーチームがいたら、今の問題に対する対策が進んだだろう」

「しかしそれはマクラーレンとホンダが解決すべき問題だ」