ホルヘ・ロレンソはドゥカティ・チームで、より自分に価値があることを感じることができるが、ヤマハでは自身のことを単なるスタッフのように感じていたと語った。
3度のMotoGPチャンピオンを獲得したロレンソは、2007年のケーシー・ストーナー以来となるタイトル獲得を視野に入れたドゥカティと契約した。
ロレンソがヤマハのYZR-M1で9年間戦った後、ドゥカティのデスモセディチGPに慣れるのは予想より難しかったものの、開幕戦前最後のカタールテストを4番手で終えた。
ロレンソをサポートしようとガレージで待機するドゥカティのエンジニア陣の数の多さについて聞かれ「あれが僕がヤマハで変えたかったことなんだ」 とロレンソは語った。
「マルク・マルケスのガレージがエンジニアでいっぱいなところをよく見ていたよ。僕もリクエストしたけど結局叶わなかったんだ」
「ドゥカティではみんな僕に称賛の気持ちを持って接してくれる。ヤマハでは僕は他のスタッフと同じように感じていたよ」
「僕は物事全体の重要な一部だったかもしれない、でも、ドゥカティでは僕に敬意を払い、称賛してくれる」
「より良いマシンを開発し、パフォーマンスで一歩抜き出るために僕を雇ったことを彼らは分かっている」
ロレンソはゼネラルマネージャーとテクニカルディレクターを兼務するルイジ・ダリーニャが現場主義をとることによって最高の状態でスタートが切れるという。
ダリーニャは、ロレンソがデルビとアプリリアで125ccクラスと250ccクラスに参戦していた時代にともに仕事をしたが、2013年にドゥカティに加入して以来、ドゥカティ復活の指揮をとってきた。
「ジジ(ルイジ)は熱いイタリア人であるにもかかわらず、冷静で完璧主義者だし解決策をもっているんだ」とロレンソ。
「彼はドイツ人と日本人とイタリア人が混じってるんだ。強力な解決策を持っていて、彼が来てからドゥカティは大きく変わったと思う」
「ヤマハと一番大きな違いは、ジジ(ルイジ)が他のすべてのエンジニアと別のレベルにいることだけど、彼は完全にグループにとけ込んでいるからそれが見えてこないんだ」
「ライダーが入ってくると、彼と他のエンジニア陣は膝をついてライダーの意見を聞くよ。ヤマハではエンジニア陣のトップはガレージでの仕事にはあまり関わらない」
「ダリーニャはもっと現場に近い人間だし、それがとても早い問題解決を可能にするんだ」