DTMドイツツーリングカー選手権を運営するITR e.Vは3月21日、これまで代表を務めてきたハンス-ベルナー・アウフレヒトに代わって、元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーが代表に就任すると発表した。
これまでDTMは、H.W.Aなどメルセデスベンツのモータースポーツ活動の礎を築いたアウフレヒトが『DTMの父』として長年代表を務めてきた。アウフレヒトは今日のDTMの繁栄を築いたほか、“クラス1”規定設立に向け、スーパーGTのプロモーションを務めるGTアソシエイションとも長年交渉に当たった。
そんなアウフレヒトの後任には、1980年代から90年代に渡ってF1ドライバーとして活躍し、フェラーリやマクラーレン・ホンダのドライバーとして日本でも高い知名度を誇るゲルハルト・ベルガーが就任することになった。
ベルガーは1997年を最後に現役を退いた後、BMWのモータースポーツディレクターやレッドブル/トロロッソに携わり、2012~14年にはFIAのシングルシーター・コミッティの委員長に就任するなど活躍していたが、今回DTMのチェアマンとしてシリーズの変革を担うことになった。
「私はモーターレーシングのキャリアをツーリングカーで始めたし、いつも大いなる関心をもってDTMをチェックしていたんだ。DTMは強力なメーカーと最高のスポンサー、重要な国際的なパートナー、そして強力なレギュレーションとファンに支えられたトップクラスのレースだ」とベルガー。
「来たる数週間のうちの私のタスクは、同僚たちとともに現状について深く知ることだ。そしてこの強力な基礎をもとに、将来の戦略につなげていきたいと思う。さらにその間、国際的なパートナーシップについても進めていきたい」
一方、ITR代表を退くことになったアウフレヒトは「これまで30年に渡って私と同僚が経験し、成し遂げてきたことを誇りに思うよ」と語った。
「しかしいま、この特筆すべきシリーズの手を離すときが来たと思っている」
アウフレヒトの退任にともない、ITR e.V内ではハンス-ユルゲン・アプトとウォルター・メルテスが委員会を退任することになった。DTMでは今回の変革は「将来に向けた」ものであり、直近の最も重要な課題であるテクニカルレギュレーションの変更については「間もなく」アナウンスされるとしている。