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ピレリ・ワールドチャレンジ開幕戦、2台のNSX GT3はトップ10を分け合う

2017年03月22日 12:51  AUTOSPORT web

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PWCにもデビューを果たしたアキュラ・NSX GT3
3月10~12日に北米フロリダで開催された、PWCピレリ・ワールドチャレンジの開幕戦で、シリーズデビューを飾った2台のアキュラNSX GT3がそれぞれ、レース1、レース2でトップ10フィニッシュを果たした。

 インディカー開幕戦と併催され、セント・ピーターズバーグで行われたPWC開幕戦。リアル・タイム・レーシング(RTR)のNSX GT3勢は、デビュー戦特有の不運にも見舞われ、忍耐を要する展開を強いられた。

 ライアン・エバーズレーのドライブする43号車は、木曜オープニングのセッションでクラッシュを喫すると、予選までにマシン修復が間に合わず。24台が並ぶ土曜のレース1にぶっつけ本番で挑むことに。

 レース中には全体で7番手のタイムを記録するものの、マシンダメージが残る影響でレース残り6周の段階でマシンを止め、日曜のレース2に備える決断を下した。

 土曜レース1ベストラップが予選グリッドに反映される日曜レース2では、昨日の鬱憤を晴らすかのような快走を披露し、グリッド位置よりわずかに順位を落としたものの、終盤を持ちこたえて9位フィニッシュを果たした。

「タフな初日から戻ってこれて良かったよ」と安堵の表情で語るエバースレー。

「僕らのマシンがロードコースで悪くないことは確認できていたけど、市街地のトラックではまだ煮詰めなければいけない部分もありそうだ」

「今週末の努力が今後に活きてくると思うし、何よりインディカーでセバスチャン・ブルデーとホンダエンジンが勝つ瞬間を見ることができてよかったよ(笑)」
■僚友93号車NSXは土曜レース1で快走も、レース2に不運

 一方、ピーター・コックスの93号車はチームメイトと対照的な週末となり、予選14番手からスタートした土曜レース1では、順調にポジションを上げトップ10圏内を走行。中盤には上位勢のリタイアも重なり、8位フィニッシュを果たし、大幅なポジションアップを達成したドライバーに贈られる“ハードチャージャー賞”を受賞した。

 しかしその喜びも長くは続かず、翌日のレース2はまさかのアクシデントが発生。ファーストラップのわずか3つのコーナーをクリアした時点で、NSX GT3のラジエターが何らかの要因で破損。そのままレースを終えることとなってしまった。

「レースになればマシンが速くなっていくことはわかっていたんだ」と語るコックス。

「予選よりも速いラップで走れそうな雰囲気だったけど、この市街地コースでオーバーテイクするのは難しかった」

「でも僕らにとっては悪くないシーズンのスタートだ。日曜は何かがラジエターに当たったみたいで不運だったけど、ロングビーチに行けば状況はさらに良くなるはずさ」

 結局、土曜のレース1はマクラーレン650Sをドライブするアルバロ・パレンテが、日曜レース2はポルシェ911 GT3Rのパトリック・ロングが制している。

 アキュラNSX GT3のプロジェクトリーダーを務めるリー・ニフェネガーは「私たちは2台のマシンをぞれぞれトップ10に送り込む上々のデビューを果たした」と、一定の評価を口にした。

「この週末で、ロングビーチのような他のトラックでも役立つ知識を得た。各レースで真に競争力のある位置でマシンを走らせるためには、チームとともにさらなる作業が必要だ。でも、2017シーズンに向けては良いスタートになったと思う」

 PWCの次戦は、4月7日から9日に開催されるロングビーチでの市街地ラウンドとなる。