かつてマクラーレンで走った経験を持つデイビッド・クルサードが、マクラーレン・ホンダが2017年シーズン中に高い競争力を発揮することは、信じられないようなマジックを成功させるようなものだと語った。
プレシーズンテストを通してマクラーレン・ホンダは何度もトラブルに見舞われ、そのため十分に走りこむことができず、合計周回数はメルセデスの半分にも届かない。
マクラーレンで最も長く走ったドライバーで、1996年から2004年に150戦にわたって同チームからグランプリに出走したクルサードは、今季マクラーレン・ホンダは苦しい一年を過ごすと予想している。
「ホンダのパワーユニットとともに、彼らが抱えている問題は非常に大きい」とクルサードは、イギリスでグランプリを放送しているテレビ局チャンネル4の発表会において、英AUTOSPORTに対して語った。
「信頼性に問題があり、馬力も足りない。連携して開発を進めていくことができていない」
「彼らは改善するだろう。だが他からの遅れはあまりにも大きい。シーズンの進行は速い。今年彼らが復活し、本当の意味で高い競争力を発揮できたとしたら、まるでフーディーニ(注:脱出マジックで有名な奇術師)だ」
テスト終了後、マクラーレンは提携3年目の今年、ホンダが改善しない場合を考えて、メルセデスからパワーユニットの供給を受ける可能性について同社に打診したとの報道がなされた。これを受ける形でホンダF1プロジェクト総責任者である長谷川祐介氏は、マクラーレンとの提携およびF1活動に関する長期的な将来について見直すつもりはないと断言した。
しかしクルサードは、ホンダの長期参戦に確信を持てずにいる。
「マクラーレンは(F1に参戦し続けるだろうが)、ホンダがどうなのかはまた別の問題だ」とクルサード。
「彼らは力を注ぎ、多額の予算をつぎ込んできた。彼らはいま、国際舞台に立っており、失敗することはできない。彼らはこういう状況にある」
一方、クルサードは、2017年F1トップ争いに関しては、フェラーリがダブルタイトル3連覇を成し遂げたメルセデスにとっての脅威になると考えている。しかしレッドブルを加えたトップ3とそれ以外のチームとの差は大きいと予想する。
「冬季テストでフェラーリが見せたパフォーマンスが、実際のグランプリでも維持されて、強力であることを期待している」
「トップ3を選ぶのは簡単だ。メルセデス、フェラーリ、レッドブルだ。ウイリアムズや他のチームがこの上位勢に本格的に挑めるとは考えづらい。相変わらずパフォーマンスが優れていないのはマクラーレンだ」