実年齢より若く見られることは、多くの女性にとって嬉しいことだが、程度の問題というものがある。先日の発言小町に投稿した女性は「40歳なのに大学生に間違われる問題」に頭を悩ませているという。(文:みゆくらけん)
「若作りしているわけでもなく、シミだってある。染めてはいるけど白髪もある。なのに、いつも初対面で大学生に見られてしまう」という投稿者。5、6歳下に見られるのは喜ばしいことでも、いっぱしの大人が大学生に間違えられるのは気持ちのいいものではない。
「若く見えることと綺麗に見えることは別口」
「一人でツアーに参加した先で『卒業旅行?』とか『もう働いているの?』とか聞かれたり、職場でも入職当時は新卒に間違われたりと若く見られ過ぎてちょっと嫌。年相応に見られるにはどうしたら良いでしょうか?」
この投稿にはなかなか手厳しいコメントが集まった。その多くは「若く見えるというより年齢不詳なのでは?」という内容で、「40歳なのに学生に見間違われるということはおそらく精神年齢が低いのです。もっと大人になりましょう」「ふるまいや考え方が幼いのではないか」というもの。雰囲気的には声優の金田朋子さん(43歳。この方は完全に個性になっていて凄い)、というところだろうか。
また、他の意見として
「ダサい、垢ぬけていない雰囲気を出しているから」
「多分服装がショボいのだと思います。若く見えることと綺麗に見えることは別口」
「こけしとかわらべのような顔立ちでは?」
などという容赦ないコメントも。どれもこれも的外れではない。
「若く見られたい」と言ってもせいぜいマイナス4~5歳がいい
しかし、この手の投稿に集まる声の、なんと冷ややかなことよ。中には、本気で年相応に見られたいなら「白髪染めをやめなはれ」という声や、ちびまる子ちゃんのお母さんのような髪型にすれば解決する、というような声もあった。極めつけはこれだ。
「ほうれい線をちょこっと自分で足してみるとか、目じりに小じわを入れているとかやったらいい」
きっと、そういうことではない……。コメントの中には「愚痴かと思いきや自慢ってやつですね、これ」と書き込んだ人もいるが、やはり「大学生に見られる40歳」の悩みは、若く見られたい女性にとってはただの自慢にしか聞こえないのだろうか。
いや、そんなことはないはずだ。いくら若見え至上な価値観でも、さすがに"大学生"はなくないか? これが"20代前半のキレイなOLさん"に間違えられるのなら、世のアラフォーの強烈な嫉妬心を煽り、アラサーに希望を与えるだろう。しかし"大学生"となると、そこにはどうしても、ひよ子っぽさ・お芋っぽさが香る。憧れはしない。
事実、女性用掲示板ガールズちゃんねるの「何歳若く見られたいですか?」というトピックへの書き込みでも「4、5歳ぐらい」という声が多く、「10歳以上」という声はかなり少なめ。「年相応がいい」という声も目立っていた。
また、リクルートライフスタイルの美容意識に関する調査でも(2016年12月発表)、30代女性で「マイナス4.2歳」、40代女性で「マイナス6.2歳」が他人に見られたい理想の年齢ということだった。
「若く見られるのはひとつの個性」という声も
あまりにも若く見られると「バカにしている」と感じる女性もいるのだろう。また、若見えすることよりも、キレイに見られたい意識の方が強いのかもしれない。投稿者は40歳で大学生に見えるということなので、マイナス20歳。自慢ではなく本気で悩んで投稿した可能性も高いのに、辛口な意見ばかり寄せられて気の毒ではある。
しかし中には「声のトーンを落とし、ゆっくりしゃべってみると良いかもしれません」というアドバイスや、「若く見られるのはひとつの個性だから、気にしなくていいと思います」との優しい声も。
また、「世間の大多数の人と同じように年齢を重ねなくてもいいと思う」という人は、
「フォークシンガーのイルカさんは、万年少女みたいな方ですが、彼女に年齢相応の服を着て、メイクをしろ、エレガントに振る舞えとアドバイスしたら個性が死んでしまいますからね」
とエールを送っていた。確かに。