トヨタの若手ラリードライバー育成プログラム、『TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラム』に参加している新井大輝、勝田貴元は3月17~19日、イタリア・ラリー選手権第1戦チョコに参戦。新井はクラス5位/総合16位で完走したものの、勝田は最終ステージ目前にパンクでリタイアとなった。
イタリア・ラリー選手権は1961年から開催されている伝統的な選手権。なかでも開幕戦チョコは過去にWRCイタリアで使用されていたステージも含む高難度のターマック(舗装路)イベントだ。
今年はイタリア・トスカーナ地方の山岳路を中心に全17ステージ、総SS距離175.3kmで争われた。
2月9~12日に行われたラリー・スウェーデン以来の実戦となった新井、勝田にとっては、このプラグラムに参加して初めてのターマック戦。そのため、今回は学習を優先してマシンをフォード・フィエスタR2へスイッチしての参戦となった。
■2度のパンクも新井は堅実な走り「いい勉強になった」
新井はサービスごとにマシンセッティングを変更し、自身のドライビングと路面コンディションにマッチするものを模索。2度のパンクに見舞われたものの、徐々にペースを上げ、クラス5位でフィニッシュした。
「クルマが変わったことでこれまでと大きな違いがありましたが、クルマの特性を徐々に掴み、楽しく走ることができました」と新井。
「これまで舗装路での経験がほとんどなかったので、タイヤの性能やブレーキ、車のセッティングなど、いい勉強になりました」
「また、このラリーはとても道が狭く、セーフティゾーンがほとんどありませんでした。ベストなラインのペースノートを作るという面でも勉強になりましたね」
■勝田は得意のターマックで好走もトラブルに泣く
一方、ラリーに転向するまでF3などサーキットレースを戦ってきた勝田は、得意のターマックで速さを発揮。デイ2のSS11終了時点でクラス首位と36.5秒差の総合4番手につける好走をみせる。
しかし、直後のSS12でフロントタイヤが2本ともスローパンクチャーに見舞われるアクシデントが起きてしまう。なんとかSSは完走したものの、スペアタイヤを1本しか積んでいなかったためにデイリタイア。大きく順位を落としてしまった。
勝田は翌日のデイ3には再出走したものの、SS14で発生したギヤボックストラブルが原因でSS15終了時点でリタイアとなっている。
走行後、勝田は「ラリー中の走行リズムもよく、上位の選手とも互角に戦えるタイムを出せていたのですが、ラリーに慣れてきた矢先に何かに当たってスローパンクチャーを起こしてしまった」と大会を振り返った。
「しかし、舗装路でのセッティングやペースノート作りなど収穫の多いラリーでした。この経験を次のラリーにも活かしたいと思います」
新井、勝田の両名が挑む次のイベントは、3月31~4月1日開催のイタリア・ラリー選手権第2戦サンレモ。このイベントも曲がりくねった山岳路で行われるほか、ステージの標高も高く、雨や霧なども影響する可能性がある、厳しい1戦として知られている。