2回目のF1バルセロナ合同テストの4日目、3月10日の午後2時半から行われたフォース・インディアのセルジオ・ペレスのセミ・フルレースシミュレーションだ。「セミ」というのは、フォース・インディアのレースシミュレーションはピットストップ時にピットボックスでタイヤ交換作業をせず、一旦ガレージに入れて、数分後にピットアウトする形を採っているからだ。
【第1スティント】スーパーソフトタイヤ
1周目 アウトラップ
2周目 1'25.3
3周目 1'24.7
4周目 1'25.1
5周目 1'25.1
6周目 1'25.2
7周目 1'25.5
8周目 1'26.6
9周目 1'26.9
10周目 1'26.8
11周目 1'27.2
12周目 1'27.2
12周目 1'27.4
13周目 1'25.8
14周目 1'27.9
15周目 インラップ
第1スティントはフェラーリのキミ・ライコネンと同様でスーパーソフトでスタート。ペースは、ライコネンより走り始めてでコンマ7秒、10周目で1.3秒の差をつけられているが、今年のフェラーリは速いので、これだけではフォース・インディアのペースが遅いとは言えない。
またスティントもライコネンより2周短い15周で完了している。ただし、スペインGPではスーパーソフトは使用されないことから、これは数少ないシーズン前のテストを利用して、スーパーソフトのロングランデータを取っていたものと考えられる。したがって、マシンのペースを評価するよりも、フォース・インディアのテストプログラムが進んでいると評価したほうがいいだろう。
【第2スティント】ソフトタイヤ
16周目 アウトラップ
17周目 1'24.9
18周目 1'25.5
19周目 1'25.2
20周目 1'25.4
21周目 1'25.4
22周目 1'25.6
23周目 1'25.4
24周目 1'25.5
25周目 1'25.6
26周目 1'25.4
27周目 1'25.6
28周目 1'25.5
29周目 1'25.6
30周目 1'25.8
31周目 1'25.7
32周目 1'25.8
33周目 1'25.8
34周目 1'26.4
35周目 1'26.4
36周目 1'26.6
37周目 1'26.5
38周目 1'26.7
39周目 1'26.9
40周目 インラップ
第2スティントもライコネンと同じソフトなので、ライコネンと比較すると、やはり走り始めでコンマ8秒、スティントの終盤で約2秒遅い。バルセロナは高速コーナーが多いので、やや重量が重いフォース・インディアのVJM10には不利なのかもしれない。ただし、ライコネンの第2スティントが18周だったのに対して、ペレスは25周のロングラン。トップチームでもソフトで25周のロングランはしていないことを考えると、フォース・インディアのタイヤマネージメントは悪くないと見ていい。
【第3スティント】ソフトタイヤ
41周目 アウトラップ
42周目 1'24.3
43周目 1'24.2
44周目 1'24.2
45周目 1'24.5
46周目 1'24.6
47周目 インラップ(赤旗/ライコネン)
48周目 アウトラップ
49周目 1'24.8
50周目 1'24.4
51周目 1'24.8
52周目 1'24.7
53周目 1'24.8
54周目 1'24.6
55周目 1'24.5
56周目 1'24.8
57周目 1'24.7
58周目 1'24.6
59周目 1'24.9
60周目 1'25.0
61周目 1'25.2
62周目 1'25.3
63周目 1'25.1
64周目 1'25.5
65周目 1'25.5
66周目 1'25.5
67周目 1'25.5
68周目 インラップ(赤旗/カルロス・サインツJr.)
69周目 アウトラップ
70周目 1'25.2
71周目 1'25.1
72周目 1'25.2
73周目 1'25.2
74周目 1'25.4
75周目 1'25.2
76周目 1'25.5
77周目 1'27.0
78周目 インラップ
第2スティントの25周もなかなかのロングランだが、圧巻は第3スティント。このスティントは2度の赤旗中断があったが、フォース・インディアは同じタイヤで走行を続け、なんと38周の長ロングスティントを行った。
ここでひとつの疑問が浮かぶ。それはフォース・インディアのレースシミュレーションは燃料を100kg搭載して、66周を走ろうというものではなく、ピットイン時に燃料を継ぎ足しているのではないかということだ。
それは第2スティントより大幅に燃料が少ないはずの第3スティントのペースが、それほど速くなっていないことでもわかる。ピットイン時に燃料を足して、異なる条件でタイヤのデータを収集していたフォース・インディア。
車体そのものの性能だけでなく、タイヤの使い方、レース戦略など総合力で戦う姿勢は、今年も変わりない。