黒沢清監督の新作映画『散歩する侵略者』の追加キャストが発表された。
劇団イキウメの同名舞台をもとにした同作は、数日間行方不明だった男・加瀬真治が別人のように穏やかで優しくなって妻・鳴海のもとに戻り、「地球を侵略しに来た」と告白するというあらすじ。主人公・鳴海役を長澤まさみ、侵略者に体を乗っ取られる真治役を松田龍平、一家惨殺事件を追ううちに侵略者と行動を共にすることになるジャーナリストの桜井役を長谷川博己、第2の侵略者・天野役を高杉真宙が演じることが明らかになっていた。
発表された追加キャストは恒松祐里。NHK大河ドラマ『真田丸』で真田信繁の娘・すえ役を演じて注目を集めた恒松は、外見は普通の女子高生でありながら、追跡する者たちを肉体を駆使してなぎ倒す侵略者の1人、立花あきら役を演じる。クランクイン前からトレーニングを重ね、撮影時には激しいアクションシーンもこなしたという。
黒沢監督は恒松について、「まったく躊躇せず、この難役をスラスラと演じていました。しかも、そこにいるだけでパッと華がある。大女優の素質があるんでしょう。将来が楽しみです」と賞賛を贈っている。同作は9月9日から全国で公開。
■恒松祐里のコメント
立花あきらは、外見は女子高生で中身や考え方は「侵略者」という設定なので、電車の中などで人間観察をしながら、「人間ってこういうものなのかな」って面白がる感覚があきらっぽいのではないか、と思って役作りをしました。一番苦労したのはアクションシーンですが、どう見せたらかっこいいか、というだけではなく、黒沢監督から「“人間ってこういう感じなんだ、へえー”みたいな感じのアクションで」と言われ、そういうあきらの「度を超えた」無邪気な好奇心を表現しながらアクションをするというのがとても難しかったです。
■黒沢清監督のコメント
まだ若いのに、もう芸歴十年以上になるんでしょうか。まったく躊躇せず、この難役をスラスラと演じていました。しかも、そこにいるだけでパッと華がある。大女優の素質があるんでしょう。将来が楽しみです。