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Lead「トーキョーフィーバー」、“音の配分”に感じた匠の技 ヒップホップに傾斜したサウンドを聴く

2017年03月18日 13:02  リアルサウンド

リアルサウンド

Lead『トーキョーフィーバー』(通常盤)

【参考:2017年3月6日~2017年3月12日のCDシングル週間ランキング(2017年3月20日付・ORICON STYLE)】(http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2017-03-20/)


 2017年3月20日付の週間CDシングルランキングで、5位となったのがLeadの『トーキョーフィーバー』。Leadは、谷内伸也、古屋敬多、鍵本輝の3人によるダンスボーカルユニットです。


(関連:Lead、デビュー15周年にむけて“ストリート出身”への原点回帰 伸也「まだまだ踊ります!」


 私はこの「トーキョーフィーバー」を、2017年3月12日にダイバーシティ東京プラザで開催されたLeadのフリーライブで聴いたばかりでした。友人に熱心なLeadファンがいるため、ちょうど当日お台場にいた私も、どんなグループなのかと見にいったのです。女性アイドルグループにばかり詳しくなって、男性グループに疎くなっているので、ちょっとした勉強感覚でもありました。


 会場は、取り壊しが始まった実物大ガンダム立像の前。工事のためにガンダムの周囲に壁が作られていたため、観客がいられるスペースが制限されており、女性を中心としたLeadファンたちがガンダム前にぎっしりと集まっている光景を目にすることになりました。


 Leadの楽曲はブラック・ミュージック色が濃く、特にバングラビートを導入している「志~KO.KO.RO.ZA.SHI.~」が気に入りました。そして、片手だけで全身を支えてみせるLeadのパフォーマンスにも驚いたものです。


 そこで聴いたのが今回の「トーキョーフィーバー」。ヒップホップ色の濃いトラックによるラップ・ナンバーで、その日歌われた他の楽曲とも異なるサウンドでした。ライブではサビの「トーキョーフィーバー」というリフレインが印象的でしたが、改めてCDで聴くと、トラックのファンキーさにも気づきます。


 「トーキョーフィーバー」の作詞は、佐伯youthK、CLARABELL、谷内伸也。このうち谷内伸也はもちろんLeadのメンバー。佐伯youthKは、西野カナにも多数の楽曲提供をしているソングライターです。シンガーソングライターとしては「佐伯ユウスケ」名義で活動しています。


 そして、作曲とプロデュースを担当しているのがCLARABELL。鈴木昭彦と猪俣裕和によるトラックメイカー/リミキサー・デュオです。2007年にデビューした彼らは、現在ではサウンド・プロデュースを活動の中心にしています。特にE-girlsに多数の楽曲提供をしており、ダンス・ビートで彼女たちのサウンドをがっちりと支えている存在です。


 そのCLARABELLがヒップホップに傾斜したのがLeadの「トーキョーフィーバー」。オールドスクールなサウンドを随所に配しながらも、生っぽいギターをはじめとしてサウンド自体は現在のテイスト。そして、キャッチーなサビへと流れこみます。この配分には匠の技を感じました。


 ライブで「トーキョーフィーバー」を聴いた後に改めてCDで聴くと、Leadのパフォーマンスを最大限に引き出すトラックでありつつも、リスニングにも対応しうる密度の高いトラックであることに気づかされます。男性ダンスボーカルユニットについて知りたい人におすすめしたくなるのが、Leadの「トーキョーフィーバー」なのです。(宗像明将)