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アンジェイ・ワイダ遺作『残像』公開日決定 前衛画家・ストゥシェミンスキの生涯描く

2017年03月18日 12:03  リアルサウンド

リアルサウンド

『残像』

 アンジェイ・ワイダ監督の最新作であり、遺作となった『Powidoki』が、『残像』の邦題で6月10日に公開されることが決定。あわせてポスタービジュアルが公開された。


 本作は、2017年アカデミー外国語映画賞ポーランド代表作品に選ばれたヒューマンドラマ。第二次世界大戦後のソヴィエト連邦下におかれたポーランドで、社会主義政権による圧制と闘い続けた実在の前衛画家、ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキの生涯を描く。


 監督のアンジェイ・ワイダはワルシャワ蜂起など史実をもとにした作品を撮り続け、レジスタンスの体験を基にした『世代』、対ソ連の地下抵抗運動を描いた『地下水道』、第2次大戦前後のポーランド社会の流転を描いた『灰とダイヤモンド』など、「抵抗3部作」で国際的な評価を獲得。カンヌ国際映画祭で1981年、最高賞パルムドールを受賞し、2000年には米アカデミー賞名誉賞を受賞している。


 撮影監督を務めるのは、『戦場のピアニスト』でアカデミー賞にノミネートされたパヴェウ・エデルマン。ワイダとのコンビは、『パン・タデウシュ物語』以後の全作品に渡る。


 この度、公開されたポスタービジュアルでは、政府によって作品が排除された美術館の展示室、スターリンの肖像が描かれた巨大な垂れ幕、戦争によって手足を失ったストゥシェミンスキが松葉杖に顔を寄せる姿が捉えられている。(リアルサウンド編集部)