今季からTCR規定マシンによる選手権に生まれ変わるSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権。同シリーズに参戦する名門PWRレーシングは、新たにアウディRS3LMSを投入し、ドライバーに24歳のミカエラ・アーリン-コチュリンスキーを起用すると発表した。
コチュリンスキーは、これまでアウディTTカップなどワンメイクを中心に戦い、昨季はドイツ国内のADAC GTマスターズでアウディR8LMSをドライブするなど耐久レースも経験。彼女にとってこのSTCCへの参戦が、初の本格的ツーリングカー・カテゴリーへの挑戦となる。
「STCCヘの一歩を踏み出すことは、私のキャリアにとって大きな前進を意味するわ。ドライバーとして成長する素晴らしい機会だと感じているの」とコチュリンスキー。
「チームはシリーズの変革を前にして、先手先手で準備を進めているし、今季のPWRレーシングの一員になれることを本当に楽しみにしている」
これまでPWRレーシングはセアト・ディーラーチームとしてSTCCに参戦してきたが、今季もそのチームを主軸としつつ、新たに姉妹ブランドであるアウディをジュニアチームとして加えるプログラムを開始する。
アウディ・スウェーデンのマーケティング担当責任者であるトム・ヘドストロムは、「ミカエラが我々のまったく新しいアウディRS3LMSをドライブするのは素晴らしいことだ」とコメント。
「PWRレーシングにとっても、我々とのジョイントはごく自然なことのように感じる。彼らはセアト以外にも、多くのマニュファクチャラーと成功してきた経験と歴史を持っているからね」
■エントリーも続々決定
そのほか、TCR規定への移行で過渡期を迎える今季のSTCCは、いくつかの新規チームも参戦。2012年以来の復帰となるクリストファーソン・モータースポーツ(KMS)はフォルクスワーゲ・スウェーデンの支援を受け、2台のゴルフGTI TCRを投入。同時に、STCCに参戦するフォルクスワーゲン陣営に向け、スペアパーツなどの供給を行う正規窓口の役割も担う。
チームオーナーで、元STCCドライバーでもあるトミー・クリストファーソンは「久々の復帰ではあるものの、フォルクスワーゲンとのジョイントであるこのチームのセットアップは、選手権の頂点を争うに足る内容だろう」と自信をみせる。
ドライバーには2016年のルノー・スポール・トロフィー選手権2位のフレデリック・ブロムステッドと、WorldRX世界ラリークロス選手権にも参戦する息子のヨハン・クリストファーソンを起用。
ヨハンはWorldRXとのバッティングにより、全7戦中4戦へのエントリーに止まるため、残りのレースはスポットでのドライバー起用を予定している。
そのフォルクスワーゲン陣営に加わるもうひとチームが、昨年までSTCCのサポートカテゴリーで活躍してきたミッケ・カジャード・レーシングで、こちらも2台のフォルクワーゲン・ゴルフGTI TCRを投入する予定。
これにより、現時点で17年シーズンのSTCCには14台のエントリーが確定することとなった。